第4話

森越学園高校の裏口で藍崎は矢崎翔真を待っていた。

まもなく、超イケメンで紺のブレザーにチェックのズボンの制服姿の翔真が走って来た。

「おはよう、翔真」

藍崎は後部座席のドアを開けた。

「おはよう、藍」

翔真が車に乗り込む。

藍崎は運転席に乗り込むと、早速ボトルを渡した。

翔真が受け取ると、藍崎は車を走らせた。

翔真はミックスジュースが大好きだ。

「あー生き返る!」

「朝ご飯は食べたのか?」

「ギリギリまで寝てたからそんな暇なくて、タクシー飛ばしてやっと間に合った」

「そんな事だと思って」

藍崎は信号待ちの間に紙袋を渡した。

翔真が袋を開けると、大好きなツナとキャベツのサンドイッチが入っていた。

「さすが藍ちゃん」

「褒めても何も出ないぞ」

矢崎翔真は16歳。

高校1年である。

15歳の時、ハンサムボーイという人気雑誌のコンテストでグランプリを獲得し、瞬く間に超人気スターになっていた。

応募したのは姉の瑞希だった。

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