第31話

瀬名の部屋のドアがノックされて母親が入って来た。

手には可愛い花束を持っている。

「お母さん、どうしたの?その花」

「お前にだって」

母親は花束を瀬名に渡した。

「え?」

瀬名は花束を受け取ると、ジッと母親を見つめた。

「誰からだろう…… 」

瀬名は花束の中にカードが入っているのに気が付いた。

瀬名はカードのメッセージを読んだ。


"立原瀬名様


怪我の具合はどうですか?

大好きな事が出来ないのは辛いですね。

でも無理はしないで下さい。

今は身体を治す時だから。

また元気になってあなたの笑顔が見れる日を楽しみにしています。


大友響"


「夢みたい……!」

瀬名の瞳から思わず涙が溢れ落ちた。

花束をギュっと抱き締める。

「良かったね。瀬名」

「私、トレーニング頑張る!だって大友さんが応援してくれてるんだもん」

「でも瀬名、無理はしちゃダメよ」

「うん…… 」

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