第20話
翌日は男子のショートである。
悠は全日本ジュニア選手権に優勝しているので来年3月の世界ジュニア選手権に出場する事が決まっていた。
悠は抽選の結果、第1グループの第1滑走になった。
14歳の全日本選手権デビューである。
悠が四回転トウループ、三回転トウループを鮮やかに決めた瞬間、場内が響めき、大きな歓声と拍手に変わった。
曲はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番である。
壮大なメロディに合わせて力強くステップを踏み、レイバックスピンも美しく決めていた。
最後までノーミスで決めると、悠の顔に思わず笑顔が溢れ落ちた。
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