第12話

所は名古屋。浅宮スケートクラブでもまた……

スケートリンクの上で倒れている少年がいる。

四回転フリップを跳んだ所、思い切り転倒してしまった。

それでもまた立ち上がり、ジャンプに挑む。

12月だと言うのに汗が滴り落ちていた。

高畑悠はリンクサイドに向かうと、緑のタオルで汗を拭った。

スポーツドリンクを飲む。

「悠、ジャンプの踏み切りが良くない。だから転倒するの。軸も曲がってる」

コーチの本間聡子が言った。

「もう一度、そこを気をつけてやってみて」

悠はしっかり頷くと、またリンクへと戻って行った。

流れるようなスケーティングから踏み切って4回転フリップを跳ぶ。

今度は転倒しなかったが、まだ着地でブレが生じた。

悠は再びジャンプを跳んだ。

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