第17話

遙は救命センターの休憩室で、白衣のままソファーに持たれながら、左手首に揺れる金のブレスレットを見ていた。

細いチェーンでインフィニティが付いているデザイン。

悠とのペアブレスだ。

悠……

悠も今頃はこのブレスを見てるかしら。

悠のケータイは、デートの最中も鳴り止む事がない。

桐島愛の仕事のオファーが次々に来るからだ。

遙、ゴメン……

最後に夜、レストランで食事をした時には彼は萎れていた。

その姿が何だか可愛くて、レストランでなければ抱きしめていただろう。

遙は柔らかな笑顔でブレスレットを見つめていた。

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