第10話
「関係者以外立入禁止なんだけど」
愛が練習を見ていた所、姫井桜がリンクサイドに滑って来た。
「でも、ついさっきまでは他の人達も」
愛が言いかけたのを遮って桜が口を開いた。
「午後7時からは選手達の時間なの。悪いけど帰ってくれる?」
愛はリンクを去ろうとした。
だがその目は何度も4回転トウループを決めている晃也に向けられている。
桜はそのまま練習に戻ってしまった。
愛は名残惜しい気持ちを残しながら、リンクから歩いて行った。
スケートセンターの外に車が止まっていた。
後部座席に座った愛はガッカリしていた。
「どうしました?彼に会えなかったんですか?」
「午後7時からは選手の時間なんだって。追い返されちゃった」
「練習は何時までなんですか?」
「9時まで」
「そうですか」
「5分でも見たかったのに」
愛はしょげている。
悠はそれ以上何も言わずに、車を走らせていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます