第6話

「ありがとう」

芹沢晃也はそう言うと、嬉しそうにマイボトルを受け取った。

わかばスケートセンターに、晃也は学校前と、放課後に通っている。

「喉渇いてたんだ。飲んでもいい?」

晃也はそう言うと、早速飲み始めた。

中に入っているのはよく冷えたスポーツドリンクである。

スケートリンクの外は静かで、他の人は誰もいない。

丁度、晃也はリンクに入る前のストレッチを終えた所だった。

「芹沢君、私、芹沢君が好きです」

愛は意を決して、真っ赤になって告白した。

動悸が止まらない。

2人の間に夏の風が吹き抜けた。

「ありがとう。夢のようだよ」

晃也は明らかに顔が赤くなって、照れたように頭の後ろに手を当てている。

「練習ばかりであまりデートも出来ないかもしれないけど、こんな俺で良かったら」

「私も仕事あるから、あまりデートも出来ないかもしれないけど」

「宜しくね。愛ちゃん」

「うん、宜しくね。芹沢君」

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