第42話

1月2日の朝、箱根駅伝は始まった。

全23校の選手達が大手町の白線の前に横2列に並んで出発の時を待っていた。

1区は川崎である。

諸住は川崎が5位以内に入れば、2区の俊足ランナー樋口が2人抜いて3位になると読んでいた。

樋口はまだ2年生だが、安定した走りと足の速さで2区に起用された。

その通りの展開になった。

トップは高岡学院大学、2位は横島大学、そして3位で明和大学の樋口が、3区の森に襷を繋いだ。

森は4年生である。

初めての箱根だった。

何とか3位をキープして、4区の阿部に襷を繋いだ。

阿部は1人でも抜いて5区の中山に繋がなければならない。

阿部は粘りのある強い走りをする。

トップとは2分40秒差、2位とは40秒差があるが、阿部は2位に5秒差まで迫った所で中山に襷を繋いだ。

中山は去年も5区山登りを経験しているだけあって、スピードもあり山への道をぐんぐん登って行く。2位の横島大学に並び、応援も苛烈を極めた。

中山は横島大学の河合を抜き、また抜かれそれを繰り返しながら3位で往路フィニッシュを迎えた。

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