無論，静香はそんな事は何も知らなかった。クラスで七海と話をしていたが，今日はどうも周りの視線が自分に向いている気がする。

特に女子の目が気になる。

「嘘。何で真輝が越智さんを気にするの？」

「本当だって！真輝が来て越智さんが学校に来ているか訊いてたんだから！」

「あり得ない！何で真輝がそんな事言うの？」

ヒソヒソ話がクラスの至る所で繰り返されている。

「あんな根暗な子を何で真輝が気にするのか理解出来ない！」

「静香、アンタ何かしたの？」

等々七海も口を開いた。

「七海だけに言うけど……相生君にチョコあげたの」

「ふうーん。でも相生君って当然のようにチョコ貰ってるんじゃないの？」

「そうだよね……」

静香も納得したように頷く。

「それって静香のチョコにだけ反応したって事？」

七海も驚きを隠せない。

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