第18話

帰りは七海と一緒になった。途中から道が分かれて他の4人は其々に家路を歩いて行った。

「環奈先輩って1年の時から彼氏いるのよねー!」

七海が声を上げる。

「当然だと思う」

「やっぱ静香もそう思う?」

「うん」

「だよねー。環奈先輩可愛いもん。いいなあー私も彼氏欲しい」

七海には好きな人がいるのかな。

恋か……

静香はふとオレンジ色に染まる夕方の空を見上げる。

どうぞごゆっくり……

スノーホワイトでバイトしていた多分大学生ぐらいの人のあの時の柔らかな春の陽射しのような優しい笑顔。

静香はふと脳裏によぎった名前も知らない少年の事を思い返していた。

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