第20話

四大陸選手権がやって来た。

今年は台北で開かれている。

凪も陽乃も会場に応援しに来ていた。

全日本選手権優勝の津村昭彦が出場を辞退したため、5位の高杉潤が入った。俊介、2位の田辺誠吾の3人で闘う事になる。

ショートプログラムの抽選が行われ、

俊介は第4グループの1番滑走である。

そしていよいよ俊介の出番がやって来た。

場内アナウンスが俊介の名を告げる。

会場から大きな拍手が沸き起こった。

俊介は藍色のラメでラインが入った衣装を身に纏い、堂々とリンクの中央に出て来た。

曲目はチャルダッシュである。

ゆったりとした曲調に合わせた流れるようなスケーティングから入り、4回転トゥループ、3回転トゥループの連続ジャンプ。会場から大きな拍手が起こった。

そして曲調が早い間はリズムに合わせてステップを踏んだ。

バッチリ曲に合っている。

それからトリプルアクセル、3回転フリップを決めて最後はスピンを鮮やかに決めてフィニッシュとなった。


「優勝、日高俊介、日本!」

英語でアナウンスされ、俊介は表彰台の一番高い場所に登った。

俊介はショート、フリー共にノーミスで決め、特にフリーの4回転フリップは最高の評価だった。着氷も美しく最後まで乱れがなかった。

トータルで270.52。

堂々の優勝となった。

だがこれで終わりではない。

俊介には世界選手権と言う大きな壁か待っているのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る