第8話

陽乃は学校が終わった後で俊介と一緒にスケートセンターに向かった。

「何?」

「あのね。父さんに会って欲しいの。付き合っている人がいるって言ったら連れてくるように言われて…… 」

陽乃の表情が硬くなっている。

かなり緊張していた。

「ご挨拶ってヤツかな?」

俊介はそう言って陽乃の顔を覗き込んだ。

「そ、そう。晩御飯一緒に食べるだけ」

「いいよ」

俊介はあっさり言った。

「親父さん厳しいって言ってたもんな。門限は9時」

「うん。俊介何食べたい?」

「何か陽乃に言われるとドキドキするな……陽乃の手料理楽しみだよ」

陽乃は、胸の高鳴りを感じながら俊介を見ている。

「肉じゃがと焼き魚でいい?」

「楽しみ」

スケートセンターが見えて来た。

「土曜日でいいかな?午後の7時半に」

土曜日は午後2時から練習に入るので6時には終わる。

父親が6時30分までが診療時間だが、大抵は7時迄になる。

「分かった。いいよ」

「ありがとう」

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