第38話
「大丈夫?」
「…。」
絵梨からスッと目を逸らす。
その反応を見た絵梨は、苦笑して言った。
「うん。大丈夫じゃないね。何か欲しいものは?」
「…水。」
そう言うと、すぐ水を持って来てくれて。
氷枕を持って来たり、冷えピタを変えてくれたり、かいがいしくお世話してくれた。
「絵梨、ごめんな。旅行中に。」
しかも、新婚旅行で。
絵梨は場所を決める時から、とても楽しみってはしゃいでて。
だから、余計に申し訳なかった。
そう言うと、絵梨は怒ったような顔で言った。
「何言ってんの。洸汰の方が大事に決まってんでしょ。」
「…ごめん。」
「謝らないで。怒るよ。」
「…うん。ありがとう。」
「分かればいいのよ、分かれば。」
そう、笑いながら言った絵梨。
俺も釣られて笑った。
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