第23話

桜がはらはらと舞う頃。


男女バスケ部の最終ミーティングの日。


自分達高3は、今日正式に引退する。




「「「ありがとうございました。」」」


そう一斉に頭を下げる後輩。


その後に後輩が、手紙を渡すことがうちの部の何となくの慣例。



前キャプテンである俺が、最後に現キャプテンに手紙を渡されて。


それを合図としてうちの部は解散となった。


みんな打ち上げに行こうと盛り上がっている。




「松木先輩、打ち上げどうされます?」




「んー…わりぃ。ちょいここで浸らして。


あとで追いかけるわ。」




少しおどけて言うと、みんな笑って。


「分かりました。鍵だけはお願いしますね。」


そう言って先に行ってくれた。




久しぶりの部室。


改めてぐるりと見渡す。


顧問に怒鳴られまくったり。


部員で口げんかになったり。


そんな事も全てが思い出で。


全ての物に思い出がこもっていた。



ギリギリインターハイにいけなくて、引退した時は死ぬほど悔しかったけど。


今となってはそれも懐かしい。

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