第21話

「ずっと一緒にいるのに、気付かないと思った?


他の子を思ってる彰也の隣に居ても、辛いだけなんだよ?」



「…。」



「だから、もう終わりにしよう。」



滲んでくる視界。


やだ。泣かないって決めたのに。


滲んだ視界の向こうに、戸惑った彰也が見える。




「お願い…っ 早く行って…っ


折角の決心が鈍るから…っ これ以上2人で居たら、縋っちゃうから…っ」




「…っごめんっ」



そう言って去っていく彰也。


大丈夫だよね…?


泣いちゃったけど、笑えてたよね?



姿が見えなくなったのを確認した途端。


我慢せずに泣き声をあげた。




泣きながら、この海での思い出を思い返した。


私たちの始まりも。


初めてのキスも。


そして…今日の終わりも。


全てがここだった。



ここは私のキラキラとした世界の象徴で。


ここにはたくさんの思い出が眠っているから。


だからこそ、ここで終わらせる事にした。




もう少ししたら。


強がりじゃなく、本心から「お幸せに。」って言えるはずだから。


笑顔で挨拶出来ると思うから。


それまで待っててね。"高山くん"

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