第17話

結婚式が明日まで迫ったある日。


今日は式を挙げるため、現地のホテルで泊まる。




「ねぇ、和馬。とうとう明日だね。」



「そうだなー…」



しみじみと呟く私たち。


知り合って20年。


そう。私たちはいわゆる幼馴染みというやつだ。




だからこそ、付き合うのにも時間がかかったのだけれど。


「長かったねぇ〜」



「誰かさんが素直にならないせいだろ?」



「……。」



図星すぎて何も言えない。


私は意地っ張りだから。


告白されても逃げちゃったり、いろいろあって別れた後告白された時も、返事保留にしちゃったし。




「たまには、素直になれよ?」


って耳元で囁く和馬。


…たまには素直になってる、はず。




でもそう言われると、素直に従えないのが人間で。


「…恥ずかしいからヤダ。」



「ま。そうだろうな、と思ったよ。」


お前がこう言って言ってくれた事無いしな。


と、軽く笑われる。




…だったら。

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