第6話

「え…と、何が?」




「お前なぁ…3ヶ月も可愛い彼女と離れてて、帰って来た途端そんなこと言われて、耐えれると思ってんの?」



えっと、だから何が?


話が見えなくて、疑問符を頭に浮かべる。



というか今、聞き逃しかけたけど…


"帰って来た途端"って…




「え。帰ってこれるのっ!?」



会話が成り立ってないことは分かってるけど。


気になって聞き返す。




すると。


「あぁ。区切りついたし。」


という、なんとも嬉しい言葉が返ってきて。




思わず呟く。


「そっかぁ…じゃあずっと隣に居られるんだ…」



心から、込み上がってくる気持ち。


それは、春樹が隣に居るという、喜びだった。




そう言うと、突然、抱き締める腕を解いた春樹。


そして、私の前に回り込んだ。




「お前…バカだろ…俺がどんだけ…」



「へ?何が…?」


…さっきから分からないことが多すぎる。




「…自覚無し…。


お前はどんだけ俺を振り回せば気が済むんだ…。


まぁいいや。煽ったのはそっちだし?もう知らねぇよ?」



春樹は呟くと、私の顎をクイっとあげる。



「えっ…ちょっ…どうしっ…んっ」


どうしたの。っと言いたかった言葉は、最後まで紡がれる事なく消える。



夕日が差すこの教室。


そこでいつまでも、2人の影は重なっていたという。

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