2話 温もり(1)
青年、
聖くんが4つあるダイニングチェアの内1つを持って
瞬間移動の魔法なのか、物を
「
そう言われて自分の
顔を上げる。いつの間にか
「それ先食べてて。
幼いあたしは子供用の椅子に座って、バスケットの中のパンに手を
そしてあたしは
幼いあたしは後でどれくらい
聖くんは
聖くんは幼いあたしにスプーンを差し出した。
「これかけて食べて」
聖くんの言葉に瓶の
目玉焼きとベーコンを皿に乗せて、持ってくるとテーブルの上のあたしの目の前に置く。そして皿の上にフォークを置いた。
「
そう言って聖くんはあたしの前の椅子に座った。
「あの、ありがとうございます……それから、どのくらい私は寝てましたか」
「……昨日、午後に助けてからずっと」
その言葉に、目を
その様子に、聖くんは落ち着いたまま口にした。
「安心してよ。あんたは俺が
……ここはあんたと
「……――ここは、なんの国に近い場所なんですか?」
「……なんで?」
表情を変えずに静かに言う聖くん。
「
その言葉に、聖くんは少しの間、口を
聖くんは少しすると口を開く。
「隠して
「辛い……? どういう意味ですか?」
「まず言葉が
幼いあたしは意味を理解した。言葉がまず通じない。そう言いたいんだと思った。
「通訳の魔法なら、私も使えます」
そう答えれば、聖くんは
「ここは
そいつらを、
「だから助け合える
続けて聖くんはそう言った。そして
「俺は光陽王国
あたしはどうしたらいいのか分からずに、
「助けてもらったのはすごく
――頭に、
顔を上げれば、聖くんは優しい
「俺が
その優しく口にされた言葉は、誰に向けた言葉だったのか。そんな事、幼いあたしは考えもしない。
それでも、幼いあたしはその言葉が嬉しくて。
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