1話 運命の邂逅(2)
「!!
あたしに
「……」
青年は何も言わずに前を見ていた。あたしたちの
「貴様、自分が何をしているのか
「
「何?」
青年の言葉に
「……に、逃げてください……」
「
「!! やめて!!」
あたしの
(――え……?)
目を
「!! 貴様、何をした!?」
「……安心しろ。
「何!? ふざけるな!! 瞬間移動、そんな高度な
「……」
青年は答えない。
「
青年は口にする。さもなくば、お前の国は
追っ手がいなくなった事に
「……どうして、助けてくれたんですか……」
青年が
「もしかして、覚えてないの?」
(――え?)
何を言われているのか、あたしには
「あんた、名前は――?」
「アメリアです」
「
「こうか? どなたの事ですか?」
「……
「さくらきよ……さん?」
幼いあたしはその名を口にして
「……ホントに覚えてないんだ」
「……えっと、どこかでお会いしましたか?」
そう言えば、その眉を
「……思い出せなくてすみません……」
申し
「少しずつ、思い出してくれれば良い」
歩けないよね。
「大丈夫。安心していい。あんたは俺が
「……私を知っているから、助けてくれたんですか……?」
青年は少し間を置くと
青年が歩き始める。そしてあたしに問う。
「行く場所ないんだよね」
あたしはその言葉に
「とりあえず俺の家
その言葉に、あの、と言葉を
「お名前は、なんて言うんでしょうか……」
幼いあたしの言葉を聞くと、青年は前を向いて言葉を
「……――佐倉。佐倉聖」
その名前に、さっき聞き覚えが無いか
「さくらさま――」
「様じゃなくてせめてさんにして。あと聖でいい」
「……きよ……さん……。……あの」
「何?」
「重くないですか」
「別に重くない。あんたはそれよりも早く
その言葉は正しい。その時の幼いあたしは、魔力も無ければ
「……すみません、少し休みます」
青年の事を思い出せないあたしは、目を
助けて
目を瞑ったあたしは、青年が悲しそうで
目を
「……」
すぐ
「……
「ここは――」
「……俺の家」
目を瞑るだけじゃなくて、いつの間にか寝てしまったのだと理解する。
寝てしまったのに、その間に青年は何もしなかったのだと
「……それで
「あ、はい、だいぶ楽になりました。……あの、ありがとうございます」
「ならいい」
青年は立ち上がる。
「お
「え……いいんですか?」
「
「……ありがとうございます」
幼いあたしは起き上がって、ベッドの
そして、あたしはしばらく青年の家に身を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます