第13話 房前の師匠
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シーン16: 暗闇に潜む影
夜の森を抜け、房前たちは葛城の城へと続く小道を歩んでいた。足音も抑え、月明かりのもと、彼らは闇に紛れるように進む。道中、房前は和泉に近づき、葛城が変わってしまったその“影”についてさらに尋ねる。
房前: 「和泉、その影の姿を見たことはないか?あるいは、その声を聞いたことは?」
和泉: 「影の正体は、誰にもわからぬのです。ただ、夜更けに城の奥深くから謎の低い声が響くと聞きました。その声に応じて、葛城様は日に日に冷酷さを増していったのです。」
和泉の言葉に、房前は僅かな寒気を感じた。何か人知を超えた存在が葛城を操っているのかもしれない。しかし、それでも房前の心には迷いはない。
房前: 「葛城が闇に囚われていようと、彼の理想を取り戻すのは我々の使命だ。真実を暴き、彼を解放する。それができぬなら、俺が彼を止める。」
一同が決意を新たにし、再び歩を進めたその時、不意に風が止まり、木々のざわめきが途絶えた。異様な静寂が周囲を包み込む。次の瞬間、薄暗い影が房前たちの前に現れる。
謎の影: 「房前か…。貴様が葛城を惑わす者か。」
その影からは、冷たい殺気が漂っていた。一行は武器を構え、影との対峙に備える。房前は影を見据え、その声の主に向かって静かに語りかけた。
房前: 「葛城を取り戻すためならば、どのような相手であろうと退くことはない。貴様が何者であろうと、俺は道を譲るつもりはない。」
影は嘲笑のような声を漏らし、ゆっくりと姿を浮かび上がらせた。それは漆黒の甲冑を纏い、顔を仮面で覆った武将の姿をしていた。
謎の影: 「葛城は我が理想を成し遂げるための駒に過ぎぬ。貴様らごときが、我が計画を阻むことはできぬぞ。」
房前たちは影を取り囲み、一触即発の緊張が走る。しかし、影の放つ異様な力に、誰もが容易には手出しできずにいた。
和泉: 「房前様、気をつけてください。奴は並の敵ではありません!」
影が薄ら笑いを浮かべ、房前の目の前に迫る。その直後、影の手が房前に向かって突き出され、闇の波動が襲いかかる。しかし、房前は一歩も退かず、その攻撃を受け流すと同時に、鋭い眼差しで影を睨んだ。
房前: 「たとえどれほどの力を持とうと、我が信念は揺るがぬ。葛城を解放するため、貴様の正体を暴いてみせる!」
房前の強い言葉に影は一瞬たじろぐも、すぐに態勢を立て直し、再び攻撃を仕掛けてきた。周囲に飛び散る闇の残滓と、激しい剣戟の音が響き渡る中、房前と影の激しい戦いが繰り広げられる。
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シーン17: 真実の覚醒
長きに渡る戦いの末、房前は影の仮面を打ち砕く。その下から現れたのは、かつて房前の師匠であった玄影(演: 中井貴一)の顔だった。
房前: 「まさか…師匠が、葛城を…。」
玄影は冷笑を浮かべながら房前を見下ろす。
玄影: 「房前、理想を守ることが何たるかを、お前は理解していない。理想のためには、犠牲も厭わぬ覚悟が必要なのだ。」
房前: 「犠牲の上に立つ理想など、偽物だ。真に人を守る強さは、ただの力ではない。」
玄影の目に、かつての房前への期待と失望が交錯する。
玄影: 「では、その覚悟とやらを、ここで見せてみよ。」
最後の激突が繰り広げられる中、房前は師匠との絆や教え、そして今まで支えてくれた人々の思いを胸に、全力で玄影に挑む。戦いは熾烈を極め、ついに房前は玄影を打ち倒し、葛城の自由を取り戻すことに成功する。
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シーン18: 終わりなき道
戦いが終わり、房前は民を守るための新たな道を歩む決意をする。葛城もまた、自らの過ちを悟り、房前と共に理想を追い求める道を選ぶこととなる。
葛城: 「房前、そなたに出会えたことで、私は再び自分の理想を見つめ直すことができた。共に、真に民を守る道を歩もう。」
房前は静かにうなずき、新たな同士としての絆を確認する。
物語は、房前が歩み続ける道のりと、彼が守り続ける民の未来を映し出しながら幕を閉じる。果たして彼の理想はどこまで届くのか。
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