【読者への挑戦状】デスゲームに至る物語【犯人当て】

河原 采

0 主催者

 ――――ああ、どうしてこんなことに。


 私は頭を抱えていた。


 こんなことはデスゲームを開催し続けてこの方、初めてのことだった。

 目を閉じれば、まぶたの裏にある光景が浮かび上がる。


 それは、


 デスゲームの開始と同時に、デスゲームが終わるのだ。それから先は? 分からない。私は主催者として……いや、一人の人間として、決断を迫られていた。しかし、他に道はない。

 まったく予想外だ。他に道があるだろうか。来たるべき破滅を防ぐ手立てが……。

 一つだけある。一か八かに賭けてみよう。それがだめなら、結果は同じだ。

 それにしても、なぜこんなことになったのだろうか。何が悪かった? ゲームの開始直前か、あるいはもっと、それより過去か。


 参加者は五人。


 一人は、筋骨隆々の青年。


 一人は、腰の曲がった老人。


 一人は、セーラー服の女生徒。


 一人は、年端もいかない子供。


 一人は、サラリーマン風の男。


 なぜこのような事態に陥ったのか?

 開始と同時に死体の現れるデスゲーム。その状況を生み出す、ある参加者。

 ああ、どうしてこんなことに。

 そうして私は、このゲームの開始に至るまでの記憶を掘り起こしていく。


 後悔と自責の念を抱きながら、思考は過去へ巻き戻る――――。

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