コールドスリープから目覚めた500年後の世界は、魔法と科学が入り混じっていた件

@ikkyu33

500年後の世界へようこそ



冷凍睡眠、コールドスリープ。その技術が進化した未来、私は自らの意志で選んだ夢の中に閉じ込められていた。500年という長い年月が流れる間、私の身体はそのままに、意識だけが無限の時間に漂い続けていた。夢の中での瞬間は、現実の時間の流れとはまったく異なり、時には一瞬の出来事が何年にも感じられた。



そして、目覚めの時がやってきた。目を開けると、そこはかつての地球とはまるで異なる風景が広がっていた。目の前に広がるのは、近未来的な都市の光景。高層ビルは空高くそびえ立ち、壁面には色とりどりのホログラム広告が映し出されている。空には自律飛行するドローンが忙しなく行き交い、人々はスマートデバイスを手にして、まるで当たり前のように会話を交わしていた。



「私の名前は佐藤翔太。26歳で、未来の科学技術を享受した世界を求めて、冷凍睡眠の道を選んだ。」目を覚ましたばかりの私が、自分にそう言い聞かせる。だが、心の奥では不安が渦巻いていた。この新しい世界で、私は果たして何をするのか?何を失って、何を得るのか?



街を歩きながら、周囲の人々の表情を観察する。彼らは明るく楽しげに会話を交わし、時折笑い声をあげている。その様子を見ていると、私の心に孤独感がじわじわと広がる。「僕だけが異物なのか?」と、自分を卑下する気持ちが湧いてくる。



そんな時、目の前に現れたのは、見たこともないクリーチャーだった。背中に小さな翼を持ち、鮮やかな色彩をした彼は、まるで生きたアートのようだった。驚きと共に、彼が私に向かって飛んできた。「あなた、冷凍睡眠から目覚めたばかりなんですね?」と、明るい声で言う。



「はい、そうです。でも、ここがどこなのか、何をすればいいのか全くわからない…」思わず口を開く。彼は笑顔で私の手を取る。「それなら、私が案内しますよ。この世界には、あなたが必要なんです。さあ、一緒に冒険の始まりを見に行きましょう!」


その言葉に少しだけ心が弾む。未来の世界での新しい出発。自分の役割を見つける旅が始まったのだ。そう、私はこの世界で新たな物語を紡ぐために目覚めたのだと、少しずつ感じ始めていた。

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