第1話

「主任、好きです!入社した時からずっとあなたを見ていました」

福山千晴は誰もいない屋上で、指導係で主任の古河萌花(ほのか)に自分の想いを打ち明けていた。

まだ入社して2ヶ月しか経っていない。

既に時刻は夜の9時半を過ぎている。辺りには2人の他に誰もいなかった。今日はまだ早い方だった。いつもはもっと遅い。10時を過ぎるのは最早当たり前だ。

「福山君、そう言う事は1人で仕事をこなせるようになってから言いなさいね」

萌花はサラッと返す。

ハッキリ言って相手にもしていない。千晴には落ち込む事さえ出来なかった。

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