エネルギー源



魔物との戦いを終え、一息つく勇者たちの前で、ヴィクトールは厳粛な表情で口を開く。


「お前たちも少しは魔界に慣れてきたようだな。しかし、今のままではこの地で長く生き延びるのは難しい。」


「まだダメってことですか…?」ルナが少し不安げに問うと、ヴィクトールは微かにうなずく。


「この魔界には、特別な『エネルギーの源』があるんだ。そこに触れることで、魔界に適応し、力を引き出せる可能性がある。だが、その場所は多くの魔物が棲みつき、極めて危険だ。」


「つまり…それを見つけ出せば、俺たちもさらに強くなれるってことですか?」カインが興奮した様子で尋ねると、ヴィクトールは微笑みながら頷く。


「その通りだ。ただし、一歩間違えれば命取りにもなる。十分に覚悟しておけ。」


勇者たちは顔を見合わせ、慎重にうなずいた。彼らの心には恐れもあったが、それ以上に試練を乗り越える意志が強かった。


「よし、それならさっそく準備に取り掛かろう!」シルビアが言い、全員が気持ちを新たにする。エレナは小さく拳を握り、ライアンも覚悟を決めた表情を浮かべる。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る