さらなる敵襲



敵の魔物を倒した安堵も束の間、あたりに漂う血の匂いがさらに周囲の魔物を引き寄せる呼び水となったかのようだった。


「また来るぞ!気を抜くな!」レオが剣を構え直し、険しい表情を浮かべる。


次の瞬間、足音も立てずに暗闇から現れたのは、無数の赤い瞳。四方八方からじっとこちらを伺う異形の影が現れ、彼らを見据えていた。彼らの体は不規則にねじれ、触手のようなものをうねらせ、喉を鳴らしながらじわじわと距離を詰めてくる。


「これ、いったいどれだけいるの?」エレナは冷や汗を浮かべながら、剣を持つ手を強く握りしめた。


「さっきの魔物より数が多いし、見た目も恐ろしいわね…」ソフィアは冷静を保とうとするが、声が震えていた。だが、その震えを振り払うように、手をかざし再び魔力を集中させる。


「ここで引くわけにはいかない…皆、全力で行こう!」カインは弓を構え、隙のない視線で最も近くの魔物に狙いを定めた。「俺がまず数を減らす。後ろからサポート頼む!」


「分かってる!」ライアンが前に出て拳を握り直す。「数が多かろうが、全部倒すしかない!」


次々と襲いかかる魔物たちが、一斉に地面を駆ける音が響き渡る。腐臭を漂わせた影が一斉に飛びかかってくる瞬間、レオが力強く剣を振りかざした。


「うおおおおっ!」レオの一閃が魔物たちの群れを切り裂き、数体が倒れ込む。しかし、残った魔物たちはその場で怯むことなく、さらに執拗に襲いかかる。


「私も行くわ!」ソフィアが手を翳し、光の矢を放つと、次々に魔物に突き刺さり、黒い血が地面に滴り落ちた。


「レオ、少し下がれ!援護する!」エレナが叫び、回復魔法を周囲に広げる。その温かい光がレオの体を包み込み、疲労をわずかに和らげた。


「助かる!」レオは息を整えつつ再び剣を握り直し、魔物の猛攻に備える。


一方でカインは後ろから次々と正確な矢を放ち、敵の足を狙って動きを封じ込めようとする。「よし、ここまで来たら、後は一気に押し切るだけだ!」


だが、魔物の数は増える一方だった。倒しても倒しても、新たな群れが現れ、勇者たちを取り囲む。


「これ、キリがないわ…」ソフィアが息を呑み、仲間たちと目を合わせる。「みんな、長期戦になりそうだけど…大丈夫?」


「もちろんさ!」ライアンは決意を胸に、拳を力強く振りかぶる。「どんな数でも、俺たちは負けない!」


「そうだ、ここで力を見せてやるんだ!」レオの目が決意に燃え、再び前へと踏み出した。


次々と襲いかかる魔物たちとの果てしない戦いの中、5人の勇者たちは自らの力を信じ、一致団結して戦い続けた。魔界の厳しい環境と終わりなき敵に晒される中で、彼らの絆と決意は試され、少しずつ真の勇者としての力が磨かれていくのだった。




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