春先の贈り物

NiceWell

第1話





その時に

確かに春は見えた

もしもこの未来が

止まる季節を間違えたならば


僕さえも季節を超えず

そこに埋もれるだろう


君がいた時間と

僕のいる未来

それはやはり、どうしたって結べない

それでも君のいう季節に


同じ香りがする


もうそうして、

ただそうして


一年を超えて

君の消えた季節を生きている


でもそれでも微かに感じる


君が居たという

いいや迎えようとしていた季節が

ここにあったはずという事を


だからそうだね。

僕もまた、君と同じく、

空に浮かぶ、時間を感じている


ありがとう。

君にも、きっとこの光が届いてると願って

ただ今日も、春が来る。

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春先の贈り物 NiceWell @NiceWell

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