第2話
我が名はアイーア
真実を知る者、または審判の女神
我は大変今困っている
あの邪神のせいで人間の身体に入ってしまったのだ
抜け出そうにも封印されて力も半分ほど封印されてしまった
問題はそこじゃない
人間の体に入ってしまったことが問題なんだ!!
『え?ほんとに無理』
昔アイーアはそこまで人間不信を煩わせてはいなかった
アイーアをここまでこじらせた原因があるのだ
一つ、神々全てに共通する特徴がある
神は心の声が聞こえる、嘘が通じない
ただ、聞こえる、嘘が通じないだけで相手の犯してきた隅々までわかる訳では無い
アイーアには見えるのだ
相手が犯してきた罪を
そして唯一判決を下すことの出来る神でもある
彼女は生まれた当初お気に入りの人間がいた
生まれたばかりは赤子と同じだ
ただ、人とは違い知識を持って生まれている
けれど自分の役割をまだ理解していなかった
ある日、そのお気に入りの人間の魂が黒ずんでいることに気づいた
何故なのか気になり調べたところたくさんの犯罪を犯していた
まだ幼かった彼女にとってはトラウマだったのだ
初めて彼女が己の役割を理解した瞬間でもあった
『…ため息ついてるだけではダメだな』
それにしても人が居ない
『この娘は皇族らしい』
年齢は七歳
性格は大人しい娘らしい
力が半分封印されているせいで情報が少ししかわからん
娘の魂の欠片が少ししか残っていない
ただわかったことは
『放置されている割に少しは恵まれているらしい……』
人は少ないがこの娘を見てくれる人間がいる
それが理由なのかこの魂の欠片は暖かい
けれどこの娘は体が弱かったらしい
それなのに家族は放置か
だから昔から権力のある人間はもっと嫌なんだ
ガチャッ
「……姫さま!?目を、目を覚まされたのですね!」
「…えっとエリザ?」
乳母のエリザだったか?
「…ええ、ええ。あなたの乳母のエリザでございます。よくぞ目覚めてくださいましたレセーナ姫さま。」
そう言って抱きしめてきた
ここまで来ると本来なら感動シーンなのだろう
けれどアイーアの心の中は大荒れていた
(怖い怖い怖い怖い怖い怖いむりむりむりむり)
覚えているだろうか?彼女は真実を知る者という役割を持った神である
そして審判を司る神
彼女はトラウマを植え付けられてから人の真実を知ることに対して恐怖が芽生え向き合うということが出来なくなったしょぼい神なのである
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主人公 アイーア
真実を知る者、審判を司る女神
レセーナというお姫様の中に入った人間不信を拗らせた性格がしょぼい神様
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