最強スキル「尿意を催す」を使えばどんな女も過活動膀胱戦意喪失屈服宣言!絶対服従のいいなり奴隷おしっこ系ヒロインハーレム化計画へようこそ!オモラシア大陸編

モブ俺製作委員会

第1話 生涯無敗の常勝騎士ヴィクトリア

 目を覚ましたらそこは、コロッセオであった。

 そして目の前には、鉄兜と鉄の鎧をまとった騎士がひとり立っている。

 重苦しい装備とは裏腹に、その楚々とした佇まいから中身は女性で間違いないだろう。


「フッ。常勝騎士ヴィクトリアを相手に丸腰とはずいぶんと舐められたものだ」


 顔は見えぬが、歯切れの良い言葉遣いからも、聡明で武勇に優れた人物であることがひしひしと伝わってくる。

 

「誉れある騎士百人斬りの節目には、貴様のような腰抜けは不足だが……まぁ良い。我がグレートソードの錆となれること、ありがたく思え」


 ヴィクトリアが鞘から抜いたのは、背丈ほどありそうな大型の剣。

 それを片手で掲げるばかりか、向けた切っ先すら震えていないとは、腕っぷしも確かなものだと推測できる。


 すると、そのタイミングで周りの観客がにわかに騒ぎ始めた。

 

「必ず勝てよヴィクトリア! 俺はお前に給料三ヶ月分を賭けているんだ!」

「さすがに丸腰の雑魚に負けるほど修羅場はくぐってねぇさ」

「万が一負けるようなことがあれば、その醜いを晒す決まりとなってるんだ。意地でも百人斬りを達成するだろうぜ」


 騎士が兜をかぶる理由は、己の防御力を高めることが第一。

 しかし、表情。表情を相手に悟られぬようにするのもまた理由のひとつ。

 強敵を前にして臆病面を晒していたら、その瞬間に雌雄は決したと言っても過言ではないからだ。

 とは言え、観客のヤジを聞くところによると、ことヴィクトリアにおいては醜い素顔を隠すためらしいが……。


(フッ。ならば見せてもらうとするか。常勝騎士様の素顔ってやつをな)


 ザザッと砂埃を立たせヴィクトリアが一歩踏み出したそのとき、たけしもまたおもむろにファイティングポーズを取る。


「なにッ!?」


 これにはさすがのヴィクトリアも面を食らったのか、なかなか二歩目を踏み出せずにいた。


「未だかつて、グレートソードの前にひれ伏さなかった男はいない。貴様はいったい――」

「さっきまでの威勢はどうしたよ。声がかすれてるぜ」

「戯言を。我の鎧はあらゆる斬撃、打撃を防ぐ。無論、貴様の拳も例外ではない。くぞ! ヴィヴァ・ラ・ヴィクトリア!!」


 ようやく踏み出した、全体重を込めての二歩目。

 しかし、ヴィクトリアが二歩目をたじろぐまでの数秒。そのたった数秒があれば、たけしにとっては十分だった。


「やれやれ。俺のスキルは鎧なんか関係ねぇぜ」


 鼻をほじりながら、スキル「尿意を催す」を放つたけし。


「ん゛ひゃぁぁあぁッッ!?」


 刹那、ピンク色の怪しい波動がヴィクトリアを包み込む。するとその一秒後には、寒気にも似た感覚が彼女の全身を襲った。


「ぁっ、ぃッ、ひぃぃんっっ!」

「なかなか可愛い声を出すじゃねぇか。ア? 常勝騎士ヴィクトリアさんよ」

「き、貴様。我に何をした」

「大したことはしてねぇよ。アンタの鎧が外からの攻撃を防ぐって言うから、内側から攻めてやっただけだ」

「内側から……? まさか、肉体操作魔法か! クッ、ふざけた真似を」

「まるで生まれたての小鹿だな。みっともねぇ内股で立ちやがって。常勝騎士の名が廃るってやつよ」

「黙れッ! し、しかし何だこの異様な悪寒は……」

「知りたいか? それはなぁ、尿意だよ。お前にはスキル尿意を催すをかけさせてもらった」

「尿意だと!?」

「俺は常々不思議に思っていたんだ。鎧を着た中世の騎士が命を賭した戦いの最中、急に催した場合どうしてたのかなって。やっぱ垂れ流しているのか?」

「そ、そんなことをするわけがないだろう! 我は、意地でも我慢していた!」

「騎士ともあれば、漏らすより命が優先じゃないのか」

「漏らさん! 我にとっては漏らす方が屈辱だ!」

「そうか、これで分かったぜ。アンタがここまで常勝できた理由……それは、尿意を催してなかったから。すっきりしてから戦いに臨んでいたからだと」

「……ドキンコッ!」


 ヴィクトリアがへっぴり腰を極めたその時、観客席もまた異様な空気に包まれる。


「な、なんだあの男。何をしたんだ!」

「詳しくは聞こえないが、漏らすとか漏らさないとか言ってやがる……ってことは、ヴィクトリアの秘密――弱みを握ってるのか!?」

「見ろよ、あの生まれたての小鹿のような足。まるでチンピラに絡まれたキンピラだぜ!」


 丸腰の相手に委縮するヴィクトリアの姿など見たことがなかった観客たちは次々にどよめき始める。


「ところで、俺のことを斬らないのか」

「クッ……!」

「ま、斬りたくても斬れないよな。すぐそこまで出かかってるんだし」

「にょ、尿意こそなければ貴様のような雑魚、一撃で……ぁんッ! さ、さりとて、これ以上力むわけには――ひゃぅぅんッッ!」

「足だけじゃなくて、切っ先も震えだしたな。情けねぇ」

「たわけ――ぁっ! ぁふゥんッ!? あ、危うくダムが崩壊してしまうところだった」

「さっきからなにごちゃごちゃ言ってるんだ。そっちが来ないならこっちから行くぜ」

「ぁっ、ぁぁっ! くるなっ、頼む! 来ないでくれぇぇッッ!!!!」


 グレートソードの切っ先を駄々っ子のようにブンブンと振ったところで、たけしの反復横飛びの前には意味がない。


「きゃあッ!?」


 ついには背後に回り拘束されてしまった。


「お、おい! あの男、ヴィクトリアを羽交い締めにしちまったぜ!」

「背後に立たれることはつまり、騎士にとって敗北を意味する。まさか、負けるのか? あの常勝騎士ヴィクトリアが百人斬りを目前に……!」

「枝みてぇなあの細腕のどこにあんな力があるってんだ! いったい何モンだよアイツ!」


 いつしかヴィクトリアに向けられていた熱い視線が、いとも簡単に彼女を拘束し、あまつさえうなじの匂いを犬のように嗅ぐたけしへと移される。


「へへっ。いい匂いだな。血なまぐさい戦いの前にも女としての身だしなみを欠かさないとは見上げたもんだ」

「ゃっ、止めてっ……! うなじ、弱いのっ……!」

「弱いのはうなじだけじゃねぇだ……ろッ!」


 ガバッ!


「ひゃああ!?」


 そろそろ昼時。弁当でも売ろうと言うのか。

 ヴィクトリアを背後から抱きかかえたたけしは、彼女の両脚をアルファベットの十三番目の形に開く。


「ら、らめっ! このカッコ、らめぇぇぇッッ……!!」

「常勝騎士様も、こうなりゃかたなしだな」

「ゃっ、ゃぁっ……!」

「いい加減楽になればいいだろ。常勝騎士としてのプレッシャーからも解放されるぞ」

「ふ、ふざけるなっ! 我は百人斬りを達成し、騎士としての最高の誉れを得るためにここまで――」

「いつの時代だって、雌は雄に勝てねぇんだ。ま、そんなに誉れが欲しかったら、俺が雌としての最高の誉れをお前に与えてやるぜ?」

「雌としての最高の誉れ……?」

「コロッセオの様子は、観客のみならずドローンを通じて全世界にオンライン生中継されてることは知ってるよな?」

「当たり前だろう。記念すべき百人斬り達成のこの日、あらゆるメディアがこぞって生放送するとのお達しだ!」

「雌であるお前が手にする最高の誉れ。それはドローンに向かっておしっこを漏らしながら声高々に敗北宣言をし、おしっこ系ヒロイン化することだ」

「敗北宣言……! おしっこ系ヒロイン……! この常勝騎士の我が――」

「時として、負けを認めることも騎士としての英断だ。違うか」

「フッ。そこまで言うならしかたあるまい。常勝騎士ヴィクトリア、今ここで貴様に敗北宣言をする!」

「貴様だぁ? 言葉遣いがなっちゃいねぇな。負けたお前は俺の常敗奴隷騎士だろうが」

「も、もうしわけございませんマスターっ! あなたは我の唯一無二の存在っ、おしっこ系ヒロイン常敗奴隷騎士としてイク゛久しく、忠誠を誓いますぅ゛ぅ゛っ……!」

「分かればいい。じゃあ行け! そのドローンに向かってダブルピース決めながら解放しろッ! 己の負けを……穢れをッ!」


 今まさに聞こえた!

 常勝騎士ヴィクトリアの気高き心が、グレートソードと共にぽっきりと折れる音を!


「はひッ! 出るっ、穢れ出るぅううううううう♥」


 カタパルト射出の直前、ヴィクトリアの兜が中央から割れ、収納されていた金髪の美しいロングヘアが扇状に広がる。

 その様子に観客は皆どよめいたが、髪よりも注目されたのは彼女の素顔だった。


「ぴーーーす。ぴーーーしゅぅぅ……!」


 醜いと揶揄されていた素顔。しかし、現実は噂よりも奇なり。

 傷一つない目鼻立ちの整った美顔が現れたのだ! カッコウの見てくれは少しあれだが。


「あれがヴィクトリアのアヘ顔……」

「折れた心は情けなくも美しい!」

「いっそ敗北リョナ写真集出せよ!」


 あまりの衝撃に全世界がざわつく中、いよいよ戦いはクライマックスを迎える。


「ん゛ぉほおおおおおおおおおおおお♥」


 絶対敗北宣言シッコアンドスラッシュ


 どうだろう、見えるだろうか? 優雅な放物線を描く黄色きグレートソードの存在を。

 キラキラと美しく輝く湯気立つその奔流を、最新鋭ドローン先輩は瞬きせずに映し続ける。まるでそれが自らに課せられた使命のように映し続ける。

 やがて浴びせられた汁気により命を落とし、その職責を全うするその時まで――。


「フーッ♥ フーッ♥ フーッ♥」

「ようやく収まったか。ったく、どんだけ溜まってたんだよ」

「ぉ゛っ♥ ぉ゛っ♥ んごぉ゛ッ♥」

「で、どうだ今の気分は」

「負けるの、気持ちいいっ。ううん、我のような雌豚はきっと、マスターのような偉大な雄に負けるために生まれたきたのぉぉっっ……!」

「だろうな。じゃあ遠慮なくお前のムチムチ鼠径部におねしょの呪いの淫紋を施させてもらうぜ」

「おねがいしま~~~しゅ♥」


 こうしてヴィクトリアに刻まれる、ハートを模したおねしょの呪い淫紋。

 記念すべき一人目を飾るにふさわしいその緩み切った雌顔には、かつての常勝騎士としての面影はない。

 あるのは、敗北の甘美に酔いしれる、負け犬として生まれ変わった浅ましい素顔のみだ――。

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