よう分からんところに突っ込まれました

やぁみんな!俺だ!


といっても分からないだろう、俺は……?


俺の名は?


分からないけど…それはそれとして、だ。


この悪寒、体の中心近くが警鐘をならしている。


これは……



命の危機だ



〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●


気絶していたのであろう、俺は地面に寝転がっていた。


無防備な状態。しかし体が感じた通り、命の危機に瀕している。


俺は背中に力を入れて即座に立ち上がり、すぐに前に走る。その刹那。


ガジャララァァァァァアン


聞いたことのない音が聞こえた。見てみると俺が寝転がっていたところには二つの影が。


「さっさと死になさいよ、白髪頭しらがあたま

「地毛よ、そちらこそ暑苦しくてしょうがないわ。魔法で冷やして上げましょうか?」

「あんた……私が魔法が嫌いと知ってそれをいってるのね?死にたいのね?」

「可愛そうに、魔法は使いやすくて効果はすごいのに。あなたの心酔してる神通力?なんてあなたすら完璧使えてないじゃない」

「ア゛ァ゛?」


美人が二人、喧嘩……どころではない争いをしていた。白髪はくはつのショートカットに猫耳・猫しっぽの美人は細剣レイピアを、赤色と金色の入り混じった髪色で、狐特有の耳と尾をもつ美人は……矢、か?見覚えのあるというか、ないというか……あ、そうだ、打根うちねだ。確か弓兵が矢が無くなったり弦が切れた時に使っていたといわれてる、小刀や手裏剣みたいに使われてた武器のはず。


……なんで、自分の名を思い出せないのにこんなことを思い出せるのだろうか。


二人は距離を取る。白髪のほうが細剣レイピアの先を赤金あかがねの髪の方に向ける。


氷魔天突撃アイシクル・ストライク


刹那、彼女の姿は消え、そこには冷気が充満していた。そしてもう一方の彼女の胸をその細剣レイピアは貫通していて、その剣の先には氷が出来ていた。


しかし、胸を貫かれたであろう赤金の美人はその姿を歪め、霧となって消えた。


「その程度?」


煽るような口調がした方をみると、そこから赤金の髪の美人は打根から手を離していた……


しかし、打根はそこに固定されていた。何もない空間に、槍穂先やりほさきを白髪の美人に向けたまま、固定されていた。


炎華弓えんげきゅう打根茎うちねぐき


彼女がそう言うとその打根はバリスタにセットされた矢のようにまっすぐ、"炎を纏って"白髪の女に向けて放たれた。


「シィッ」


白髪の女は細剣レイピアの剣先を打根の槍穂先に合わせ、そのまま威力を相殺。


打根は紐が巻き付いていたのか、引っ張られ赤金髪の女の手のモノとに戻っていた。


「あら、燃えなかったのね」

「そちらこそ、そんな魔法モドキを使って楽しいのかしら?」


……これ、俺に気付いてなくない?


ということで、俺は美女同士の勝負の場に突っ込まれたようだ


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ということで新作公開!後悔はない!


波乱万丈な彼らの物語をお楽しみに!


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