NO MUSIC NO LIFE/@zawa-ryuさんへ💗
NO MUSIC NO LIFE/@zawa-ryuさん
https://kakuyomu.jp/works/16818093089308071651
ようちゃんをご指名ありがとうございます💗
わたしのファンサとしてこちらにて感想及び僭越ながらアドバイスなどをさせて頂こうと思います。先に言っておきますと、今回はアントニオ猪木ばりのビンタはありませんのでご安心くださいませ。
さて、御作の全体的な感想ですが、わたしがカクヨムで拝見しかつ今年という単位で推移を見続けた中では、一番成長された作家さんではないかと思います。それも自分の長所を伸ばすという正しい方向で成長していて、素晴らしい結果を出していると思います。これは本当にすごいことだと思いますよ。
作品の内容も@zawa-ryuさんらしい素直で外連味のない展開で、読者が安心して作品の世界に没頭できますし、構成もしっかりと感情や物語の起伏としての起承転結ができています。かがむところはかがんでいることで、ジャンプするところでは効果的な演出ができています。
また、@zawa-ryuさんの作品はある意味完成しているので、デコレーションや細かい装飾や決めセリフなどは不要なのが特徴的です。いってみれば、@zawa-ryuさんの作風自体がひとつの演出になっているので、小細工が不要というのも他の人の作品に対して大きなアドバンテージになっていると思います。
ここまで褒めることしかしておりませんが、実際に褒めることしかないので(笑)、わたしのビンタが炸裂せず申し訳ないみたいな変な話になってしまいました。とはいえ、@zawa-ryuさんの作風はもはや、わたしが指摘する意味もないなと思うくらいに良いので、このままアマチュア作家として楽しく書き続けていくのなら、どんどん作品を書いていけばよいと思いますよ。
とはいいながら、これでおしまいでは面白くないですし、来年二月のさいかわ如月賞では年間チャンピオンも決めようと思っておりますので、公募は@zawa-ryuさんは目指していないと推察いたしますので、賞レースに出すとしてのアドバイスをしたく思います。くどいですが、これは賞レース対策の話ですので、普段趣味として書くのであれば今まで通りでいいですから、そこはきちんと分離してくださいね。そうでないと趣味用の小説と競技用の小説とごっちゃにして、@zawa-ryuさんの持ち味がなくなってしまいますからね。
御作について、賞レースに出すとした場合の一番致命的な点は、「私の唇に、耶麻人の唇が優しく重なる。」周辺の個所でして、直言すればキスをしてしまったことです。
これは三つの意味で致命的なことなのですが、一つ目は「話の余韻がない」ということです。短編とはいえ、ここまで読者を引き込んでおきながら、キスというある意味具体的な盛り上がりのシーンをつくってしまうと、読者の作品に浸りたい気分を横取りしています。特に男性作家はすぐにキスさせたりセックスさせたりしますが、そこが一番読者が妄想したいところなわけです。もちろん話の展開において必要な場面であれば書かざるを得ないのですが、今回はそんな雰囲気は必要がないくらいにさわやかかつ青春の青臭さが出ていました。なので作者が書くべき感情表現と読者にゆだねる感情表現を使い分けるべきだとわたしは感じました。
二つ目は「続編が書けない」ということです。この手の作風ではキスやセックスというのはある種のゴールになります。それは作家側の都合ではなく、読者側が感じる都合としてのゴールでもあります。しかもこれを出版社の編集に持っていったら、「(もっと続けて儲けたいのに)終わらせてどうするんだ!」と怒られちゃいます(笑)。わたしの友人が公募で大賞を獲ったとき、終盤で主人公とヒロインが肉体関係で結ばれるのですが、それでは続編書けませんと変更を求められました。結果、ハードカバーで10冊くらいの連載小説になりました。つまり、この手の作品でキスやセックスは自らの寿命をとめてしまうということになるのです。@zawa-ryuにさんはこの作品を続ける意思がないかもしれませんが、読者は期待したり要望してくれるかもしれません。読者と作品を「終わらせない」という考え方も非常に大事なことを知っておいてほしいと思います。
三つ目は作品の構造的におかしいということです。ラストが非常にさわやかで読後感が良いのに、なぜにキスシーンをその前に入れたのですか、という話です。せっかく、キスシーンまでは抑える所は抑え、ライブのシーンでバーンと盛り上がるように設計されているのに、キスとラストと間でおかしな流れになってしまっていると感じました。
ただ@zawa-ryuさんは話の凹凸を十分につけられている人なので、駄目出しではなく、@zawa-ryuさんの能力を更に伸ばすという意味で聞いてほしいのですが、これの解決策として、テンショングラフというものを書いてみてください。
テンショングラフとはXYの二次元グラフで、X軸が話の流れ(時間軸)、Y軸がテンション度合い(感情軸)という単純なグラフです。もちろん折れ線になったり、自分なりの意図をもった線になってかまわないです。
御作におけるグラフはX方向の早い時点に落ちるV字の線(✔みたいな感じでしょうか)になると思うのですが、尻尾の手前でキスをしてしまうことで、文字で無理くり書くと「✔V」みたいな形になってしまっております。ここの「V」の部分は読者とってはノイズ的に感じでしまいます。御作の場合、さわやかさと熱血さにおいて、✔と尻上がりに終わった方がよいのではと思います。
テンショングラフですが、「私」と「耶麻人」と「話の流れ」の3枚を書いてみるといいと思います。できればそれらを合成した一枚のグラフにするこで全体の起伏を制御できれば最高です。
テンショングラフが何故必要かというと、ぶっちゃければ「思いつき」で書いている人が最終的に辻褄合わせる為にグラフ化して補正をかけるためという、どちらかというと下手くそな人の為の補助ツールなのですが、@zawa-ryuさんにとっては自分の強みに更に磨きをかけるツールになるかと思います。小説を書く前にグラフ化してみて、書き終わった小説に対してもグラフ化してみます。そしてそれらのグラフを比較して補正をかけていけば、完璧な演出ができると思いますよ。
小説を書くというのはある意味芸術活動です。芸術とは「論理的に考えたものを、(観客には)感性的に見せる」のが肝要だと思います。論理的につめて感情的に演出してるように見せることで、「@zawa-ryuさんのセンスってすごい!」と言わせるというわけです。
以上、わたしなりのファンサを書かせていただきました。参考にしていただければ幸いです。
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