仲間に…入れて……ほしいよぉ………

 6時限目の数学の時間。


 私は先生の教卓の正面に座っている。

 その席は先生の解説が聞きやすく、質問もしやすいから、数学が苦手な私は助かっている。


 ……でも、私は授業中、いつも孤独を感じている。

 なぜなら、私の周りの席は誰も座っていないからだ。

 前も後ろも、斜めの席にすら、誰も座っていない。


 実は、この授業は自分で選んだ席を使っていい、いわゆる自由席。だから、私以外の人は仲良しグループで固まっているのだ。


 その上、「先生に当てられにくい場所に行きたい」「居眠りしてもバレない遠い席がいい」などの理由から、みんな教卓から離れてしまい、結果的に私はひとりぼっちになってしまった。


 でも、今更席を変えるのも気まずいし、仲良しグループに部外者が入っても仲良くしてもらえない……というわけで、私は今日も孤独に授業を聞いていた。




 ……しかーし!

 そこで事件が起こった!


先生

「今日は計算問題が多いので、グループで手分けしてやりましょう」


クラスメイト

「はーい」


先生

「では、好きなようにグループを使ってくださーい」


 先生の号令に合わせて、仲良しの子同士で机をくっつけ始めるクラスメイト達。


「……Oh」


 360°どこにも仲間がいない私、絶望!!

 ……すると、その時。先生と目があった。

 ま、まさか……!!


先生

「……誰か、コチョタイも入れてあげてください」


一部クラスメイト

「えぇ?」


 ……ぎゃああ゛ぁぁぁあああああぁアアアッ!!!


 やっぱり出たよ!!

 陰キャにしかこの恐ろしさが分からない言葉!


 先生からの助け舟は有難い! 有難いけど!

 でも、周りの生徒の「なんでアイツも入れないといけないの、仲良しだけで固まりたいのに……」って感じの視線が一気に集中するのツラい! めっちゃツラいよ!


 こうして、なんとか仲良し2人組(あの( '-' )でお馴染みBちゃんと、プリクラ事件の時の陽キャA)の中に入れてもらえた。

 しかし……


コチョタイ

「どの問題、誰が担当する?」


陽キャA・クラスメイトB

「「適当にやってて」」


コチョタイ

「え、ちょ……?」


陽キャA

「じゃ、私こっちやるね、Bちゃん」


クラスメイトB

「ありがとー、私はこっちやるね」


 〜数分後〜


コチョタイ

「……ごめん、ここの問題の解き方を教えて欲しい…………」


陽キャA・クラスメイトB

「「ちょっと後で」」


 しばらくして、私抜きで授業に関係ない雑談を始める2人。


コチョタイ

「…………(´・ω・`)」


 〜授業終わり〜


 結局、私はちっとも会話をしないまま、元の席に戻った。

 ……うわぁん、大学行ったら友達作ってやる( ; ; )

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