テスト終わりの悲劇

 ようやく期末考査地獄が終わった日の、LHRロングホームルーム前の10分休憩。

 教室内は、テストが終わって疲れ切っている人、逆に開放感から八茶ける人、点数が低いのを確信し絶望する人、テスト中も寝ていたのにまた寝始める人……など、各々が自由に過ごしていた。


 すると、10分休憩が明けるチャイムがして、担任のSH先生が入ってきた。


SH先生

「皆さん、目が死んでますね……。テストお疲れさまでした」


クラスメイト達

(『目が死んでる』って、原因は先生方が作ったテストですが?)

(はぁ……LHRロングホームルームなんて要らんわ、1時間もなにすんの?)

(テストおわったんだから早く帰らせろや……)


SH先生(担任)

「さて……これからいくつか話があるので、よく聞いてください」


クラスメイト達

(何の話だよぉ! 早く終わらせてくれよぉ!)

(なるはやで……終わらせてください…………眠いんです…………( ˘ω˘)スヤァ)

(この人、現代国語の教師だから話が論文みたいで長いんだよなぁ……だりぃぃぃぃぃ!!)


SH先生(担任)

「まず、テスト終わりにこんな話したくないですが……

 テストは、終わってからが大切です。『テスト終わった~、わ~い』で終わらせる人と、『テスト終わった~、解けなかった問題を解きなおすぞ~』っていう人とでは、成績は大きく変わります」


クラスメイト達

(本当にテスト終わりにしてほしくない話題過ぎて草)

(わぁ、この話聞きたくねぇ……もういいや、寝ちゃおう ( ˘ω˘)スヤァァァ)


SH先生(担任)

「そして、皆さんの今回のテストの成績は、大学入試で最も大切になるといっても過言ではありません。大学入試とは、そう言うものです。もう遠い未来じゃありません。

 ……なので、帰ったらしっかり復習しましょうね。がんばってください!」


クラスメイト達

(うーわ……今のウチらにこんな話題するとか、まじありえんわ)

(生まれて初めて担任に殺意を抱いた)

(この先生、ホントに顔と運動神経の他に良いところないな……)


 一瞬で先生へのヘイトが満ちる教室。

 先生はその空気に感づいたのか、苦笑いをしながら続ける。


SH先生(担任)

「…………えー、このままだと俺の好感度がダダ下がりなので、次は良いニュースを……」


クラスメイト達

(いいニュース? みんなの点数100点にしてくれるわけ?)

(( ˘ω˘)スヤァァァァァァ……)

(もう修復不可能だよ、この空気は……)


SH先生(担任)

「さて、ではこれから、皆さんが前学期から言い続けている……」


 ……次の瞬間、クラスの空気が変わった。


SH先生(担任)

「席替えをしますよぉ! さぁ悦べぇ!!」


クラスメイト達

「……ふぁぁあ?!」

「マジ(๑0ω0๑)?! 眠気冷めた!!!」

「先生なら裏切らないと思ってた」

「先生、ありがとー!!!♥」

「まじで先生大好き」


 一気に活気が満ちるクラス。好感度が元に戻り、安心する先生。

 そして、先生が用意したクジを引いて、席が次々と決まっていく。

 私の席も決まり、今まで隣の席だった子にお別れを告げてから、私は席を移動した。


 私は窓際の一番端の席から、窓際の一番後ろの席に決まった。

 席は暖房に最も近く、エアコンにも近く、時計も見えやすい。


 しかし、その席には、問題は主に2つあった。

 1つは、先生に指されやすいこと。

 もう1つは……周りが仲良し陽キャグループ!!!

 私の前の子も、斜め前の子も、横の子も!


 私は、目の前で仲良くグループになって話している陽キャグループに混ざれず(というか陰キャすぎて認識されず)、疎外感の中、1人寂しく外を眺めていた(´・ω・`)

 


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