3-5.なんでそんな水着があるのさ!?

  グロー歴523年8月17日 晴れ


「じゃあ···、湖の家に案内しますね···」


「よろしくね、ナギちゃん」



 せっかく湖があるから泳ぎたい!って孫たちの要望から、ボクたちは湖岸にある湖の家に案内してもらったんだ。


 でも···、手足を噛み切っちゃう魔獣が住んでる湖だよ?危なくないのかなぁ〜?って思ってると、ナギちゃんからこう言われたよ。



「大丈夫です···。頑丈な網張ってますし···、あそこはあいつらの縄張りじゃないので···」



 との事でした。まぁ、ボクは泳げないから湖には入らないけどね。



 さて、歩く事15分ほどで湖の家に着いた。首都ビオ側にあるんだよ。だからバカンスに来ている人が多かったよ!



「おぉ〜!あたいのすんでるアイムとうのすなはまといっしょだな〜!」


「アトラはアイムとうにすんでるんだよな?おれはいったことないけど、そうなのか?」


「そうだぜ、モンド!そしていろんなおみせがあって、おいしいんだぜ!」


「あたしもいったことないけど、アトラのはなしをきいてるとたのしそうね〜!」


「ルメちゃんもいったことないんだね〜?フーもおみせがあるからとおくへおでかけしてないんだよなぁ〜」



 そういう事か。フユは師範の仕事があるし、ナツはお店があるからなぁ〜。じゃあ、今日は思いっきり楽しんでもらおうか!



「じゃあ、湖に入る前に水着を買おうか!ナギちゃん?水着屋さんってどこにあるのかな?」


「そこに···」


「どれどれ〜。···ナギちゃん?ほかにあるかなぁ〜?」


「あるけど···、ここと同じ店だよ···?」



 ···なんてこった!?なんでこんな水着しかねえんだよ!?女性ものが全部あぶないみずぎ・・・・・・・ばっかりじゃないかよ!?何考えてんだ!?ここの店主は!?


 しかし女性陣は意外と好評だった···。



「あら?アイム島にもあるような水着ね〜。今回こそはハルにも着てもらうわよ〜!」


「···これもほぼ裸に近いけど?」


「そこがいいのよ〜!見えないのに見えるようになってれば男なんて悩殺よ!」


「···そんな事考えなくても、アキは私しかいないって言ってくれるよ?」


「···あぁ~、ハルのところはラブラブでいいわねぇ〜。うちはなぁ···。アレだしなぁ〜」


「はいはい、ナナがここでグチ言っても仕方ないよ。ちょっとでも布面積・・・が広い水着にしなよ。フーちゃんたちも見繕ってね」


「わかってるわよ!アキ。孫たちを危険にはさせられないわ!」



 さて、女性陣が女性水着売り場に行ったので、ボクとリオとモンドくんは男性水着売り場にやってきた。やってきたんだけど···。



「アキー?これが男ものの水着なのかー?」


「そうだけど···。なんでこんな際どいブーメラン水着しかないのさ!?」


「しっぽ穴の関係じゃないかー?」


「あぁ~、そういう事か···」



 普通の下着でもしっぽが当たっちゃうものが多いからね。水着なんだからなおさらそうなるか···。



 まぁ、男ものの服選びはこの世界でも短かったから、女性陣が出てくるまでちょっと待ったよ。


 10分後···。


 ハルたちは水着を着て出てきた。出てきたんだけど···。



「待たせたわね〜!あたしがコーディネートしてみたけど、どうかしら!?」


「···ナナさん?なんでハルは『スク水』なんですか···?」



 そう、孫たちじゃなくてハルがスクール水着を着ていた!しかも胸元には『4-3 はる』って日本語で・・・・書かれてるぞ!?


 おいゴラァ!?うちの妻になに着せてるんや!誰が名前書いたんや!?ボクはそういう趣味はないぞ!!ってかなんでその水着がこの世界にあるんじゃ!?エレさんの趣味か!?絶対そうだな!次に連絡した時にクレーム入れてやる!!



「すくみずって言うの?なんか最新作で、胸元の魔法の布に名前が自動的に表示・・・・・・・・・されて、男どもを魅了する効果があるらしいわよ。アキ〜?ちゃ〜んとハルを守らないといけないわよ〜!」


「···ん。···これなら服着てるってかんじだから着てみたけど?」


「いや、ハルはなにを着ても似合うんだけどさ···。そういうナナはちょっと布面積少ないけど普通の水着じゃん!もっとリオを悩殺するようなヤバい水着にしなよ!?」


「···アキ?コイツがそんな反応するって、まだ・・思ってるの?」


「···ノーコメントで」


「ほー、これが女性ものの水着かー。似合ってるんじゃないかー?」


「············」


「どしたー、ナナー?」


「ま、まぁ、アンタが褒めるなんて珍しいじゃない?」


「は?褒めてないぞー?感想を言っただけだぞー?」


「···ハァ〜、まぁ、いっか。ちょっとだけマシになったと思っておきましょ」


「んーー?」



 リオ···。そこは褒めないと···。ナナは期待してなかったからダメージは軽くで済んだね。



「じーじ!フーのみずぎってどう〜!?」


「おぉ〜!似合ってるよ!ひらひらがついててかわいいね〜」


「えへへ〜!ありがと〜!」


「アキじーちゃん!あたいはどうだ!?」


「アトラちゃんは動きやすさ重視ってところかな?」


「そうだぜ!アキじーちゃんはわかってるな!あそんでいても、いつどこであくがいるかもしれないからな!」


「ここで悪って言ったら痴漢かなぁ〜?まぁ、みんなが狙われても逆に懲らしめちゃうだろうけど···」


「アキじーじ!あたしは〜?」


「ルメちゃんもかわいいよ。髪の色に合わせたから赤色の水着なんだね?」


「えへへ〜!いいでしょ〜!」


「うん。いいセンスだよ。さて、みんな水着になったから軽く準備運動して、それから水に慣れてから入るんだよ!」


「「「「は〜い!」」」」



 というわけで、久々にレディ~オ体操第一をやってみたよ。周りから変な目で見られちゃったけど、大事な事だからね!



「うわぁ~!きもちいいぞ〜!」


「フーも〜!きもちいい〜!」


「きょうもあついから、このつめたいのはいいわねぇ〜!」


「モンドもフーもルメねえも、およぎかたってしってるか?」


「「「しらなーい」」」


「じゃあ、あたいがおしえるぜ!まじゅうにおそわれてもだいじょうぶなおよぎかただぜ!」



 ボクは砂浜でテントとタープを用意していると、アトラちゃんがモンドくんたちに泳ぎ方を教えてくれるようだね。こればかりは特大ハンマーなボクじゃ教えれないからなぁ〜。



「まずはかぜまほうでくうきをかくほするんだ!まりょくがおおいほどながくすいちゅうにもぐれるぞ〜!」



 ···えっ!?そこ!?まぁ、溺れる心配はなくなるか···。


 そうだった。魔法の存在をすっかり忘れてたよ···。じゃあ、エーレタニアだったら特大ハンマーなボクも大丈夫···、なのかなぁ〜?




 ハァハァ···。ファッ!?フ、フーたんの水着だとぉ!?か、かわいい···!かわいいぞぉーー!!いかん!鼻血が···。ハァハァ···、今録画してるこのデータは絶対に消さないぞ!永久保存だ!!かわいいぞーー!フーたん!その格好でののしってほしい···!ハァハァ···。

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