新プロジェクト①



数日後、リュウは上司から新しいプロジェクトチームに任命されることになった。そのプロジェクトとは、商品の魅力をアピールし、売り上げを伸ばすための「マーケティング戦略」を立案するというものだった。リュウは「マーケティング」という言葉に馴染みがなく、少し首をかしげた。


「マーケティング…?それは一体、どんな戦闘なのだ?」


周りのチームメンバーたちは少し笑いながらも、リュウに丁寧に説明を始めた。「リュウさん、マーケティングは戦闘ではなくて、お客様に商品をどう魅力的に見せるかを考える仕事です。」


リュウは納得したように頷き、意気揚々と口を開いた。「なるほど、ならば魔物の誘惑に負けずして、最も効果的な『陣形』で攻めるのだな!」


しかし、同僚たちは少し困惑しながらも、彼の情熱に押されてそのまま会議を進めることに。プロジェクトのテーマは新商品の「ジュエルスムージー」を、ターゲット層に向けてアピールするというものだった。


リュウは「ジュエル」という言葉を聞いて、異世界での経験を思い出した。


「ジュエルだと…?まさか、魔力を秘めた宝石を砕いて飲むものか!?」


周囲の社員たちは驚きつつも笑い、実際には「新鮮なフルーツを使ったキラキラとした見た目のスムージー」だと説明してくれた。リュウは少し残念そうにしながらも、発想を変えて、どうしたらお客様が興味を持ってくれるかを考え始めた。


「では、いっそ勇者が危機的な戦場で体力を回復させるような、そんな壮大な物語を伝えればいいのではないか?」


リュウは異世界の冒険譚を話し始めたが、同僚たちは「少し話が大きすぎるかも」と困惑しながらも、リュウの提案を親身に受け止め、どの部分を現代風にアレンジできるかを考え始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る