全幅の信頼少年少女

福田 吹太朗

全幅の信頼少年少女


 先生! 後片付けは済ませておきました。ホウキで掃いて、床はピカピカにきれいにしておきました。もちろんゴミも、きちんと出しておきましたよ。

 先生! 花瓶に花を生けました。赤い花なんてどうでしょう? 黄色い花ならもうすでにあります。白い花? それだとお葬式みたいになっちゃうじゃないですか。

 先生。僕に任せておけば何にしたって大丈夫です。何事もそつなくやっておきます。みんなが僕を頼りにしているんです。きっと期待に応えてみせます。

 先生。私ならもっとこの教室をきれいにできます。私がいるから大丈夫です。整理整頓、清潔なのはいいことです。もっと教室をきれいにしましょう。

 僕はみんなから頼りにされているんです。

 私はみんなから喜ばれているんです。

 先生! このクラスを全員の力で、より良くしていこうじゃありませんか!


 そうでしょう、そうでしょう。みんなが僕を見る目で分かります。

 全幅の信頼少年とは、僕のことです。

 全幅の信頼。これを獲得するのがどんなに困難を伴うことかなんて、誰にも分からないんでしょう。

 いいでしょう、いいでしょう。僕はもうすでに、それを勝ち取っている訳なのですから。

 わざわざ確証を得なくとも、皆の態度を見ればそれが分かります。事後承諾、というやつです。

 僕が行うことは全て正しい、少なくとも彼らはそう思っているはずです。

 彼らが言うことが正しい。僕の言うことも正しい。

 それでいいじゃありませんか。何か問題でも?

 僕は全幅の信頼少年なんです。

 どうかそのことを、お忘れなく。


 私が廊下を歩くたび、みんなの視線が私に集まるんです。

 私が教室に入った途端、みんなの温かい視線が私に向かって注がれるんです。

 そうです。

 全幅の信頼少女とは、私のことです。

 みんなが私を見るのは、それは決して、この私が美しいからではありません。心が美しいからでもありません。

 私のことを、心の底から信頼しきっているからなのです。

 私が今日はいいお天気ね、と言う。みんなも、はい、と答えるんです。

 私が今日は真っ白い雪が美しいのね、と言う。みんなが、はい、そうに違いありません、と思わず言ってしまうのです。

 曇っていても、外はかんかん照りで三十五度の気温でも、晴れていて雪が美しいと言ってしまうのです。

 それはこの私が、心から信頼されているからなんです。

 とても心の温まる光景です。

 私が言うことは全て正しい。

 だって、私は全幅の信頼少女なんです。

 私より美しい子はたくさんいるけれど、勉強ができる子もたくさんいるけれど、私ほど信頼されている女子は他にはいないのです。

 だって、私が言うことがいっつも正しいから。


 僕にはちょっとだけ気になることがあります。

 ウチのクラスの人数は二十五名。そのうち男子が十三名。女子が十二名。

 もし多数決を取ったとしましょう。そうなるとどうしても男子のほうが有利になってしまうのです。

 先生も男性だから、仮に先生が投票に加わったとしてもです。

 女子からも全幅の信頼を得ている僕としては、これは女子たちに対する不公正で不公平な事実であり、そこのところがどうしても気になってしまうのです。

 全幅の信頼。これはあらん限り全て、を意味します。不公平があってはならないのです。

 僕はフェミニストという訳ではありません。全てを公平にしたいだけなんです。

 どうかその辺をお忘れなく。


 私にはちょっとだけ気になることがあるんです。

 このクラスの人数は全部で二十五人。

 勉強ができる子もいれば、できない子もいる。

 スポーツ万能の子もいれば、運動が苦手の子もいる。

 これって正しいことなのでしょうか?

 個人の能力に優劣の差があってはいけないと思うんです。

 だって、この世の中は全ての人が平等で、あらゆる人たちの間に、差なんてないからなんです。

 そうは思いませんか?

 この教室の中だけ不平等だなんて、絶対に許されることではありません。

 だって私は、みんなから全幅の信頼を得ているのです。

 みんなの信頼に応えなくちゃね。


 あれは誰ですって?

 あれは人間不信の極限生徒です。

 彼は捻くれていると思われるでしょう? 実はそうではないのです。彼は素直なのです。素直だからこそ、みんなと違った考えを持ってしまうのです。

 彼は優しいやつなんです。

 彼のお陰でいろいろ学びました。

 ある時僕に面と向かって、こんなことを言ったのです。

「お前なんか、地獄に落ちてしまえばいいんだ」

 地獄に落ちるってことは、地獄にも引力があるってことなのです。これは新しい発見でした。彼のお陰でまた一つ新しい発見がなされたのです。彼には感謝の言葉もありません。

 人間不信の極限生徒は、実は信用抜群究極生徒のことだったのです。

 先生を殴ったことなんて、どうか忘れてください。


 私には気になっているクラスメイトがいます。

 見るからに薄弱気弱な生徒のことです。

 見るからに薄弱気弱な生徒は、いっつも教室の隅っこの席に一人でいて、時々何かブツブツと呟いては、いきなり顔が青ざめてしまうのです。

 彼を見捨てる訳にはいきません。

 この教室の基本理念は、公平公正かつ、平等と博愛の精神でなければなりません。

 彼は助けを求めているのです。

 そうは見えないかもしれませんが、きっと心の声では、

「僕はひょっとして、スプーンで掬い上げられた砂糖の中でたった一人だけ、瓶の中に一粒残された存在なのではないか?」

 きっとそうなのです。彼はそう思っているはずなのです。

 私はそんな仲間を、放っておくことはできません。

 先生の給食に消毒液を入れたことは、どうかもう忘れてください。


 僕には全幅の信頼があるので、僕の元には個人的な相談にやって来る男子もいます。

 とある悩める葛藤男子もその一人でした。

 彼は同じクラスの、笑顔がかわいい癒され女子に恋していたのです。

 彼がそのような気持ちを抱いたのも、分かる気がしました。笑顔がかわいい癒され女子はその愛嬌のあるキャラクターから、男女どちらからも好かれるような、そんなタイプの女子だったのです。

 僕はどんな相談でも、真摯に受け止め対応するつもりでした。ですがこれは極めて個人的な悩みの相談であり、いくら全幅の信頼があるとはいえ、男子が女子の心の中に割って入る訳にはいかなかったのです。

 僕は考えた挙句、男子とも仲が良い活発女子に、間を取り持ってくれるように頼みました。

 男子とも仲が良い活発女子は、僕の頼みを聞いてくれました。けれどもその結果は、笑顔がかわいい癒され女子には今のところ恋愛感情はなく、とある悩める葛藤男子の愛をすぐには受け止めることはできない、というものなのでした。

 僕は無茶な相談とはいえ、全幅の信頼がいくらか揺らぎ、少しばかり自信を失ってしまったのが正直なところだったのです。


 私の全幅の信頼をよりどころにして、恋愛の相談に来る女子も少なからずいたのです。

 あまり目立たない物静かな女子もその一人でした。彼女は、とある悩める葛藤男子のことが好きだと、はっきり私に向かって言ったのです。

 あまり目立たない物静かな女子が、そのような明確な意思表示をするのは珍しいことでした。

 私はその気持ちを何とか叶えてあげようと、知恵を絞ったのです。

 私はあまり目立たない物静かな女子に、思い切ってその気持ちを直接、ぶつけてみるという提案をしてみたのです。

 けれども彼女は、さすがにそこまでの勇気はなく、別の手を考えるしかありませんでした。

 その結果、男子とも仲が良い活発女子に、それとなく相手の気持ちを探ってくれないかと、お願いしてみたのです。

 ですが、とある悩める葛藤男子には、別の好きな人がもうすでにいると彼女は言うのです。

 私はこの残念で残酷な結果を、あまり目立たない物静かな女子に伝えねばなりませんでした。

 彼女はひどく落ち込んでいる様子でした。

 私はそこで初めて、全幅の信頼がほんの少しぐらついて、評価が下がったのではないかと、いくらかの不安を抱いてしまったのでした。


 自信を失いかけている時に限って、何かしらトラブルらしきものが発生するものなのです。

 何となく教室内が不穏な空気に包まれているのを肌で感じ取ったのは、ある晴れたバナナの皮みたいな黄色っぽい光が差し込んでいた日のことだったのです。

 何となく、というのは便利な言葉です。何となく空気が重たい、何となく陰鬱だ、何となく教室内が静か、何となくみんなが塞ぎ込んでいる……。

 何となくではあったのですが、確かに何らかのトラブル発生、緊急出動、即解決、と行きたいところでしたが、あいにくこの僕は、自信を失いかけており、それも思う通りにはならなかったのです。


 私の全幅の信頼がぐらついているのではないかと、不安な気持ちになっている時のことでした。

 その日は晴れたいい天気だったと思いきや、正午を挟んで突然、打って変わったように曇り空となり、それに連れて教室内の雰囲気はどんどん下降するばかりなのでした。

 何があったのでしょう?

 私はそれを聞きたい欲求が、ベルのように心の中で鳴り響いていたのですが、全幅の信頼少女である私が、この教室のことについて何も知らないなんて、それこそさらに信頼を失墜させかねない行為だったので、そこは諦め、そっとみんなの顔色を窺うようにして、機が熟すのをじっと待ったのです。

 何かが起きているのは確かなのでした。

 それが何なのかは、もう少し後になってようやく分かることになるのですが。


 クラスでいじめですか。

 そんなのあまりにひどいじゃありませんか。

 誰が一体いじめの対象で、誰がいじめる側の人間なのか?

 その時の僕にはまだ分かりませんでした。

 ただその時は、大勢が関わっていないことを願うのみでした。

 この僕が何も知らされてはいないなんて。

 そこで僕は、渋々とはいえ、奥の手を使うことに決めたのです。

 それはクラスの中ではライバル関係にあるとも言ってもいい、全幅の信頼少女と結束して、共にこの危機に対処することだったのです。

 僕は以前は、同じクラスの中に、全幅の信頼生徒が二人もいる必要はない、そう思っていました。それが正直な気持ちだったのです。

 ですがそんな悠長なことを考えている場合ではありません。

 誰かがいじめに遭い、誰かがいじめに加担しているのです。僕としては放っては置けません。

 またこんな計算も頭の中で働きました。

 これは信頼を回復するための、絶好の機会だと。

 果たして全幅の信頼少女の方でも、そう思っていたのでしょうか?

 ともかくも、僕たちは互いに初めて、協力することになったのです。


 いじめがあったのは明らかです。

 私は全幅の信頼少年から共にこの問題を解決しようと持ちかけられた時、正直どうしようかと迷いました。

 けれどもここは、思い切って互いの知恵を出し合って、万事丸く収めようと決めたのです。

 誰が加害者? 誰が被害者?

 私の情報源からすぐに、いじめに遭っているのは、前々から気になってはいた、見るからに薄弱気弱な生徒だと判明しました。

 では誰が一体加害者なのか?

 はじめは真っ先に、人間不信の極限生徒のことを疑いました。

 ですが全幅の信頼少年が、それは絶対にあり得ない、そう確信を持って言ったのです。

 彼によれば、人間不信の極限生徒は、実は信用抜群究極生徒だと言うのです。

 私は彼の言葉を信じ、別の線を探ることにしました。

 果たしてそれは誰なのか?

 推理小説のような展開になってきましたが、そんな呑気なものではありません。

 これは人の命に関わることかもしれないのです。

 男子十三名。女子十二名。その中にいるであろう首謀者は一体誰なのか?

 そこに思いもかけず、ある一人の生徒の名前が浮上してきたのです。


 不穏な闇を秘めたる少女、彼女は知的で、物静かで大人しく、口数も少なくどこか神秘的というか、僕のような男子からすれば、とても謎めいていて、魅力的にさえ見えたのです。

 全幅の信頼少女の話によると、彼女がいじめの中心にいるらしい、とのことなのでした。

 僕には俄かに信じ難く、その根拠を尋ねると彼女は、

「それしかないわ。それしか有り得ないのよ」

 とだけしか答えなかったのです。

 けれども彼女がそこまで言う以上、やはり不穏な闇を秘めたる少女が怪しいとの、僕なりの結論にようやく達しました。

 僕からしてみたら、彼女が誰かをいじめている姿は、想像すらできなかったのです。

 これは何かの間違いではないのか? 僕はそう願ってやまなかったのですが、事実は小説より奇なり、おそらく全幅の信頼少女の言う通り、彼女がいじめの張本人だったのでしょう。


 見るからに薄弱気弱な生徒は窓際の端っこの一番後ろの席、不穏な闇を秘めたる少女は廊下側の端っこの一番後ろの席、真逆の席に座る二人が、それぞれ演じる役回りも真逆、片一方はいじめられる側、もう片一方はいじめる側と、席順と比較しても何とも皮肉な関係なのでした。

 私はいじめる側も、いじめられる側の生徒も判明したものの、どうやってそれを解決したらいいのか、途方に暮れていたのです。

 全幅の信頼少年に尋ねても、

「僕にもどうすればいいのか分からないよ。さっぱりだよ」

 との答えしか返っては来なかったのでした。

 二人を見張り、現場を押さえるしか……けれど我々は、刑事でも教師ですらなく、ただ単に全幅の信頼があるのみの存在でしかなかったのです。

 こう考えてみると、全幅の信頼など、大して役に立たないものだと、その時になって初めて実感したのでした。


 僕たちは話し合いで解決することにしたのです。

 ですがその前に、話し合いをするかどうかの話し合いが行われました。

 前述の生徒たちの他にも、その他大勢の有象無象生徒たちも全員席について、ピリピリと張り詰めた空気の中、しかしとても有意義な話し合いとなったのです。

 不穏な闇を秘めたる少女は、終始無言のままでした。

 それからこれは非常に重要なことだと思うのですが、彼女の後にくっ付いて、同じようにいじめに加担していた生徒たちもいたはずなのですが、僕や全幅の信頼少女などは、彼ら彼女らの追求はあえてしなかったのです。

 僕たちはあくまでも円満な解決を望んでいたのでした。


 私たちの話し合いは何時間も続きました。先生がこのために時間を割いてくれたのです。

 時に熱くなる生徒もいて、激論となる瞬間もありました。けれども基本的には、どちらかといえば始まりから終わりまで穏やかな調子で、みんなポツリポツリと自分の意見や感情を吐露してみたり、解決方法を模索して意見を述べたりと、意味のある内容の濃い話し合いとなったのでした。

 見るからに薄弱気弱な生徒は、最後まで項垂れ、うつむいたままでした。でもそれで良かったんだと思います。この場に居続けることが重要だったのです。


 結局は長い時間、粘り強く話し合いを重ねたのが功を奏したんだと思います。

 霧がゆっくり時間をかけて晴れていくように、僕たちの心の中のわだかまりは、溶けてなくなってしまったかのようでした。

 もちろんそんな綺麗事では済まされないことは百も承知の上です。

 多数決で今後どうしたらいいのか決めればいいんじゃない? という意見もありました。けれど多数決ではたった一人の差とはいえ、男子の意見に左右されてしまうので、僕がやんわりとその解決策を断ったのです。

 不穏な闇を秘めたる少女は、最後になってようやく言葉を発し、

「分かったわよ。もうお遊びはやめにするわ。その方がこのクラスのためにもいいんでしょ?」

 彼女はふてくされているようでしたが、実際はみんなからいじめの張本人だと思われるのがこれ以上は耐えられなかったのでしょう。

 僕はそれで満足し、みんなも満足し、彼女もいつもの冷淡で謎めいた表情ながらも、満足している様子なのでした。


 かなりの時間を費やしました。

 私たちは疲労困憊し、そのことでもうこれ以上話し合いをしても無駄だと悟ったのでしょう。

 いじめた側からの謝罪らしき言葉もあったことですから、話し合いは自ずと終わりになりました。

 これでこのクラスの中の不平等感がなくなり、解消したとはこれっぽっちも私自身は考えてはいませんでした。

 しかしたった一歩だけでも前進したのは確かなのでした。

 バターがじっくりフライパンの上で溶けていくように、時間はかかるのでしょうが、このクラスに沈殿する重苦しい空気が晴れることを願うばかりなのでした。

 みんなの視線が嫌でも、見るからに薄弱気弱な生徒の上に注がれ、彼はかなり戸惑っているのは明白で、いつものように挙動不審となっていたのですが、ただ言葉少なに何とか自分の考えを絞り出し、

「ごめんなさい。僕もこれからは自分の意思をしっかり持ってやっていくよ」

 その言葉でみんながようやく納得した様子なのでした。


 先生! 窓ガラスは全て拭いておきました。目立つゴミも拾っておいたので、これでもう大丈夫でしょう。

 このクラスはきれいになりましたか?

 僕はまたかつてのように、全幅の信頼を取り戻すことはできるのでしょうか?

 僕は全幅の信頼少年なのです。

 みんながこの僕に期待してしまうのも、まあある意味仕方のないことなのでしょう。

 かと言って前みたいに注目されることはなくなりました。それに関しては寂しい限りです。

 ですが僕はそんなことで、へこたれるような人間ではありません。

 僕には全幅の信頼が自然と集まってくるんです。今の言葉に嘘偽りは決してございません。天の神にかけて誓っても構いません。地獄に落ちた身で言うのもあれなのですが。

 全幅の信頼を集めることがどんなに難しいことか。

 人は一度失った信用を取り戻すのには、倍以上の時間と労力がかかってしまうことでしょう。

 あ、いっけねぇ。ゴミ袋を置きっぱなしにするところでした。僕もまだまだってことですね。修行が足りていないのでしょうか。

 これからは一層精進し、みんなからの全幅の信頼を得られるよう、頑張っていく所存であります。

 僕は全幅の信頼少年なんです。


 先生! お花はやっぱりこれにしましょう。水色の花なんです。え? 水色の花があるのかですって? 青いお花がいっぱいあるんだから、水色の花だってあるんです。

 これでこの教室はきれいになりましたね。

 私は多分もう大丈夫です。全幅の信頼を取り戻すことだって、そのうち何とかなると思います。

 私は全幅の信頼女子なんです。

 みんなが私に全幅の信頼を寄せてくれている。これって何て気持ちのいいことなんでしょう。

 不安な気持ちになったのはほんの一時的なことだったのです。いわゆる思春期特有の、ちょっとした病みたいなものですね?

 私の心は美しくはありません。私のルックスだって、決して美しくはないのです。

 それでも全幅の信頼を勝ち取って、みんなのために貢献する。こんなに誇らしいことが他にあるのでしょうか? 私には思い当たりません。

 全幅の信頼という、フリーパスとプラチナカードを持っていれば、どこにでも入ることができて、何でも手に入ってしまうのです。

 私はそれを手放したくはありません。

 一度それを失くしてしまったら、二度と戻ることはないんでしょう。

 ですから日々の言動には気を付けて、全幅の信頼女子に相応しい態度を示さなくてはいけないと思うんです。

 あ! お花に水をやるのを忘れていました。私もまだまだですね。うっかり美しいものを枯らすところでした。

 これからは毎日朝の四時半に起きて、校内の花壇のお花すべてに水をやりたい気分です。

 私は全幅の信頼少女なのです。



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全幅の信頼少年少女 福田 吹太朗 @fukutarro

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