2 「名」と「単純なもの」-『論考』形而上学の中心概念の批判的吟味

(既出項)

○パート1 言語と哲学-新しい言語像と新しい哲学像の提示-

1 言語とゲーム-新しい言語像




 この辺読んでて思ったこと。「ヴ、ヴィトちん……あんた、そうだったのか……あんたくらいの人が言ってんだし、そんなもんだろうと納得できないなりに受け入れてたけど……実物と言葉がわかちがたく結びつくところに論理が働いてるって、アレ本気で言い張ってらっしゃったのか……」


 永井均氏のヴィトゲンシュタイン入門を読んで少し先取りしておこうと思って眺めてみたらなんか「写像理論が云々」とか言い出されていて、えっちょっと待ってヴィトゲンシュタイン自身の言葉を借りれば事態から命題を引きずり出す一連の脳内手続きって全部「語り得ないもの」の領域でしかない以上無意味でしかないってことを「実は本人も気付いていた」とかそんな感じだと思っていたのだが、案外そうでもないのかもしれない。いや、まだわからないぞ、こちらを何らかの罠にハメるつもりなのかもしれないぞ……。


 というかなんなんだ、なんで言語ゲームが「様々な言葉に対する認識について、相互間の認識を一手ずつ、順番にすりあわせ続けられることである」というだけの話にこのひとはこんなに莫大な文字数を費やしてるんだ。あまりにも無意味な時間過ぎないか。まあいい、ようやくそうした土台のうえに『論考』に対する批評的言及がくるらしい。これを待っていました。しかし自著の文責に対してずいぶんドライだなこのひと。


 えーとなになに? 「事実・現象が合成されて事態が引き起こされている、と仮定したのはいいんだが、ぶっちゃけここで言う合成って言葉についての言語ゲームがまるで進んでないのでひどいことになってるよね」?


 あっいやあなた「論考」の全編そんな感じですからね? あなた各語の運用あまりにもオリジナルすぎてて、こちらに最悪の、地獄の言語ゲームデスマ迫ってきましたからね? あなたが「この言葉の運用は自明である」ヅラして用いてる言葉、概して『論考』全体の構造を把握した上でようやく用途がわかるとか、そういうクソな状態でしたからね? 「合成」という言葉を安易に使いすぎていた! なんていうちっせえレベルじゃねぇーですよあんたのは!!!


 いや、そういうのを楽しんでたのでいいんですけど。


 で、予想どおり「内的要素を全部理解しているとはまた奇妙な言い回しではないか!」とかも言い出してこられた。そうです奇妙なんですよ! まじで!!! にしても、クッソ、なんだこのひと、人が「なーんか納得いかねえけど強制的に飲み込まなきゃいけねえんだろうしなあ」で我慢してたことを次々と自分でツッコミ入れてきやがる。ひどい。


「うっそだろおい、それ大真面目に論じてたのかよ……」って言う絶望感とか、「それにしたってなんでこんな、一瞬で片がつくようなこと延々と、ねちねちと、ぐるぐる堂々巡りするように語ってんだこのひと……」という思いとで、今日も情緒がヤバい。



(投稿予定)

3 概念の厳密さと規則を巡る諸問題

4 理想と哲学-『論考』の論理観の解体と新しい哲学像

○パート2 理解・意味・規則を巡る哲学的諸問題

5 理解

6 理解と体験

7 意味と規則を巡る誤解とパラドックス

8 「規則」の新しい見方と数学の基礎

○パート3 心とその像を巡る哲学的諸問題

9 感覚-誤った文法像とパラドックス

10 思考とその像を巡る哲学的問題

11 想像とその像を巡る哲学的問題

12 『論考』の「思考」像が生む様々な問題

13 意味と理解

14 「期待」型心的概念を巡る哲学的問題

15 意志と意図

16 意味、言及、指示

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