6・2 数学は論理的な方法
○前段
1 : Die Welt ist alles, was der Fall ist.
世界は全てである。あらゆる何か、その現象がそこにあるに依る。
2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.
何が提示されているのか。事実・現象とは事態が実在することである。
3 : Das logische Bild der Tatsachen ist der Gedanke.
事実・現象の論理上の像が、思考である。
4 : Der Gedanke ist der sinnvolle Satz.
思考は意味のある命題である。
5 : Der Satz ist eine Wahrheitsfunktion der Elementarsätze. (Der Elementarsatz ist eine Wahrheitsfunktion seiner selbst.)
命題は要素命題の真理関数である。 (要素命題はそれ自体の真理関数である。)
6 : Die allgemeine Form der Wahrheitsfunktion ist: [p¯,ξ¯,N(ξ¯)].. Dies ist die allgemeine Form des Satzes.
真理関数一般は、[p¯,ξ¯,N(ξ¯)]と書ける。これは命題の一般形式である。
ここまでのまとめ:
「世界」より「命題」を引き出している。
世界→事実・現象の集合体。
事実・現象→事態の集合体。
(事態は更にこと・ものに分解される)
(主体は世界と像の境界として存在する)
事実・現象を観測する→像。
像の具体化(→写像化)→思考。
思考の有意味化→命題。
命題の「語りえること」を最大化するため、
まずは命題を最小点(要素命題)にまで分解し、
全ての命題を最小点の組み合わせにまで深める。
6.1 : Die Sätze der Logik sind Tautologien.
論理命題はトートロジーです。
6.2 : Die Mathematik ist eine logische Methode. Die Sätze der Mathematik sind Gleichungen, also Scheinsätze.
数学は論理的な方法です。数学の定理は方程式、つまり擬似定理です。
○派生図
6001
|……
├211
|├2
|├31
||├21
|||├2
|||└3
||├31
||└41
|└41
6.21 : Der Satz der Mathematik drückt keinen Gedanken aus.
数学の定理はいかなる思想も表現していません。
6.211 : Im Leben ist es ja nie der mathematische Satz, den wir brauchen, sondern wir benützen den mathematischen Satz nur, um aus Sätzen, welche nicht der Mathematik angehören, auf andere zu schließen, welche gleichfalls nicht der Mathematik angehören. (In der Philosophie führt die Frage: »Wozu gebrauchen wir eigentlich jenes Wort, jenen Satz?« immer wieder zu wertvollen Einsichten.)
人生において、私たちが必要とするのは決して数学的な文ではありませんが、私たちが数学的な文を使用するのは、数学に属さない文から他の文を推測するためだけであり、その文もまた数学に属しません。 (哲学では、「なぜ実際にその単語や文を使用するのか?」という質問が常に貴重な洞察につながります。)
6.22 : Die Logik der Welt, die die Sätze der Logik in den Tautologien zeigen, zeigt die Mathematik in den Gleichungen.
論理命題がトートロジーで示す世界の論理は、数学を方程式で示します。
6.23 : Wenn zwei Ausdrücke durch das Gleichheitszeichen verbunden werden, so heißt das, sie sind durch einander ersetzbar. Ob dies aber der Fall ist, muss sich an den beiden Ausdrücken selbst zeigen. Es charakterisiert die logische Form zweier Ausdrücke, dass sie durch einander ersetzbar sind.
2 つの式が等号で接続されている場合は、相互に置換できることを意味します。しかし、これが事実であるかどうかは、2 つの式自体によって示される必要があります。これは、相互に置き換えることができる 2 つの式の論理形式を特徴付けます。
6.231 : Es ist eine Eigenschaft der Bejahung, dass man sie als doppelte Verneinung auffassen kann. Es ist eine Eigenschaft von »1+1+1+1«, dass man es als »(1+1)+(1+1)« auffassen kann.
肯定は二重否定として理解できるという性質があります。 「1+1+1+1」は「(1+1)+(1+1)」と理解できる性質があります。
6.232 : Frege sagt, die beiden Ausdrücke haben dieselbe Bedeutung, aber verschiedenen Sinn. Das Wesentliche an der Gleichung ist aber, dass sie nicht notwendig ist, um zu zeigen, dass die beiden Ausdrücke, die das Gleichheitszeichen verbindet, dieselbe Bedeutung haben, da sich dies aus den beiden Ausdrücken selbst ersehen lässt.
フレーゲは、この 2 つの表現は同じ意味だが意味が異なると述べています。しかし、方程式の本質は、等号で接続された 2 つの式が同じ意味を持つことを示す必要がないということです。これは 2 つの式自体からわかるためです。
6.2321 : Und, dass die Sätze der Mathematik bewiesen werden können, heißt ja nichts anderes, als dass ihre Richtigkeit einzusehen ist, ohne dass das, was sie ausdrücken, selbst mit den Tatsachen auf seine Richtigkeit hin verglichen werden muss.
そして、数学の命題が証明できるという事実は、その命題が表現するものを、その正しさを判断するために事実と比較する必要がなくても、その正しさがわかるということにほかなりません。
6.2322 : Die Identität der Bedeutung zweier Ausdrücke lässt sich nicht behaupten. Denn, um etwas von ihrer Bedeutung behaupten zu können, muss ich ihre Bedeutung kennen: und indem ich ihre Bedeutung kenne, weiß ich, ob sie dasselbe oder verschiedenes bedeuten.
2 つの式の意味の同一性を主張することはできません。なぜなら、それらの意味について何かを主張するには、それらの意味を知らなければなりません。そして、それらの意味を知ることによって、それらが同じことを意味しているのか、それとも異なることを意味しているのかがわかります。
6.2323 : Die Gleichung kennzeichnet nur den Standpunkt, von welchem ich die beiden Ausdrücke betrachte, nämlich vom Standpunkte ihrer Bedeutungsgleichheit.
この方程式は、私が 2 つの式を検討する観点、つまりそれらの等しい意味の観点を特徴づけているだけです。
6.233 : Die Frage, ob man zur Lösung der mathematischen Probleme die Anschauung brauche, muss dahin beantwortet werden, dass eben die Sprache hier die nötige Anschauung liefert.
数学の問題を解決するのに直観が必要かどうかという問題は、言語が必要な直観を提供すると言うことで答えられなければならない。
6.2331 : Der Vorgang des Rechnens vermittelt eben diese Anschauung. Die Rechnung ist kein Experiment.
計算のプロセスはまさにこの見解を伝えています。計算は実験ではありません。
6.234 : Die Mathematik ist eine Methode der Logik.
数学は論理の方法です。
6.2341 : Das Wesentliche der mathematischen Methode ist es, mit Gleichungen zu arbeiten. Auf dieser Methode beruht es nämlich, dass jeder Satz der Mathematik sich von selbst verstehen muss.
数学的手法の本質は方程式を扱うことです。この方法に基づいて、数学のすべての文はそれ自体を理解する必要があります。
6.24 : Die Methode der Mathematik, zu ihren Gleichungen zu kommen, ist die Substitutionsmethode. Denn die Gleichungen drücken die Ersetzbarkeit zweier Ausdrücke aus, und wir schreiten von einer Anzahl von Gleichungen zu neuen Gleichungen vor, indem wir, den Gleichungen entsprechend, Ausdrücke durch andere ersetzen.
数学の方程式を導き出す方法は代入法です。なぜなら、方程式は 2 つの式の代替可能性を表しており、方程式に従って式を別のものに置き換えることによって、いくつかの方程式から新しい方程式に進むからです。
6.241 : So lautet der Beweis des Satzes 2×2=4: (Ω^ν)^μ'x=Ω^(ν×μ)'x Def.,Ω^(2×2)'x=(Ω^2)^2'x=(Ω^2)^1+1'x=Ω^2'Ω^2'x=Ω^(1+1)'Ω^(1+1)'x =(Ω'Ω)'(Ω'Ω)'x=Ω'Ω'Ω'Ω'x=Ω^(1+1+1+1)'x=Ω^4'x.
これは定理 2×2=4 の証明です:
(Ω^ν)^μ'x=Ω^(ν×μ)'x Def.,
Ω^(2×2)'x=(Ω^2)^2'x=(Ω^2)^1+1'x
=Ω^2'Ω^2'x=Ω^(1+1)'Ω^(1+1)'x
=(Ω'Ω)'(Ω'Ω)'x=Ω'Ω'Ω'Ω'x
=Ω^(1+1+1+1)'x=Ω^4'x.
6.3 : Die Erforschung der Logik bedeutet die Erforschung aller Gesetzmäßigkeit. Und außerhalb der Logik ist alles Zufall.
論理の研究はすべての法則の研究を意味します。そして論理の外ではすべてが偶然です。
「数学は計算によって疑いなく物事の構造を照らし出す、これは命題の部分に数値を入れたものであると認識することが可能である。変項として当て込む内容が数字であるか命題であるかの部分で違いこそあるが、論理が疑いようもなく作用していることを確認するに当たって有用である」という感じでしょうか、ね。6.1に較べればマシで、まぁその言わんとするところはわからないでもなくもなくはない感じ。
数字の場合、そもそも疑いようもなく確かなものを扱っているわけである以上命題とは違って現実と写像と思考と命題とが正確に対比しているのかなどをいちいち語るまでもない。もちろんそれによって示されるものは命題と呼べるはずもない(なにせ確定的に真としかいいようがない)のだから、実際にわれわれが過去に直面したような諸命題たちとは違う。のだが、論理が示している構造がどのようであるか、についてはわかる。
こうして6.1と6.2を経て「論理とは疑ってみようがみまいが否応なしに示されうるものであり、この部分を確たるものとして示した際、では世の中において論理命題として説きうるものは何であるかを語る」となるのだろう。
そうしてみた時、6.3では「論理の外ではすべてが偶然である」と語られた。偶然の余地なく、すべての関係性があらかじめ成り立っている内的な関係についてはもはや偶然の差し挟まれる余地はないが、あったりなかったりする外的な関係については「そうした諸関係性が成り立ちうる」ことは確かであってもポジティブな事態となったりネガティブな事態となったりする。……といった話になってくるのだろうか。まあ、あまり決め打ちしきらず先に進む。
なんで最終盤近くに至ってまだ「この先何が起こるかわからない」とか言ってんだ俺。マジで意味わからんなこの本。
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