設定集

 地図を挿入しようとしたのですがカクヨムでは画像を張り付けることはできないようです。

 見たい方はなろう版の設定集

https://ncode.syosetu.com/n0599js/32

を御覧ください。


 魔導、魔法、魔術:魔導は広い意味で魔法も魔術も含む。魔法具や魔道具、錬金術なども魔導の範疇。魔法は自身の魔力のみで使うことができるが、魔術は特殊な杖や触媒、魔術陣などの補助が必要になる。


 魔導士、魔法士、魔術士:魔導士は魔法も魔術も両方使える者のこと。

 魔導士も魔法士も魔術士も国に認められた国家資格。国家資格を持っていない者は◯◯使いと区別される。

 広義の意味では全員魔法使いと思われがちだが明確な区別がされている。魔術使いは魔術を使うもの。魔法は使えない。逆に魔法使いは魔術の適正もある。勉強するかどうかは魔法使い次第。

 魔導使いはほぼほぼ存在しない。野良の魔法使いが魔術を学ぶ機会などそうないからである。野良の魔法使いは先輩の魔法を見て盗んで覚える。

 基本的には魔法書も魔術書も街には売って居ない。貴族家か、魔法士たちなど許された者だけが持つことができる。


 魔力持ち:単純に平民よりも多く魔力を持っている者の総称。100人に1人くらいいる。平民の平均魔力を10とすれば100以上あれば自然に〈身体強化〉を発動し、〈自己治癒〉も発動するので病気も怪我もすぐに治り、毒にも掛かりづらくなる。5歳の子供でも成人男性に勝てるほど違う。

 そう聞くと村に何人かはいそうだが、9割は貴族か騎士の血脈で、街や村にいる魔力持ちの大半は魔力を多く持つ貴族の落とし胤である。

 そして野良の魔力持ちは貴族に雇われるか傭兵やハンターをやっている。商会や村の用心棒をやっているものもいる。4級以上のハンターや傭兵は大概が魔力持ち。普通の平民は5級か6級が精一杯である。それでも最低限は食っていける。傭兵もハンターも8級まである。その前に見習いという9級が存在する。引退や結婚すると村の警備隊長などにジョブチェンジする者もいる。


 魔法使い、魔術使いの割合:魔法使いは魔力持ちの中でも10人に1人いるかいないかの割合。全体で見ると1000人に1人いるか居ないかとなる。9割は貴族の血をどこかで引いている。稀に隔世遺伝で平民からも魔力持ちが生まれ、自然と魔法が使えることもある。もしくは平民の魔力持ち同士で子を為すとある一定の割合で魔力持ちが産まれる。確定ではない。貴族同士は魔力が高いので確定である。

 魔術は魔力持ちの中で魔法が使えない者のうち、2、3人に適正がある。だが触媒や杖が必要な為、素養に気付かない者も多い。更に魔術を学ぶ為には大量の金銭が必要である。アーガス王国やエーファ王国では大きな都市に魔法学院がある。そこに金を積めば学ぶことが許される。魔術士も国家資格。


 魔物:総称。獣型を魔獣、蟲型を魔蟲、鳥型を魔鳥、魚型を魔魚とも呼ぶ。魔人は居ない。ゴブリンやオークたちは魔鬼として認識されている。

 だが多くは大雑把に魔物や魔獣と呼ぶ。魔物の支配領域は魔境と呼ばれる。各地に点在し、国境になっていたりもする。国土の半分以上は魔物の支配領域であり、人間は常に魔物と争い続けている。一時期絶滅寸前まで行った歴史がある。その時は妖精種や獣人種に助けられ、人族は絶滅を免れた。


 魔道具、魔術具、魔法具:大きな括りで言えば全て魔道具と呼ばれる。平民にも使える物も多く、そのせいもあってほぼ魔道具と呼ばれる。厳密に言うと別れている。

 魔術使いが使うのが魔術具。魔法使いか魔術使いしか使えない。

 魔法使いが使うのが魔法具。もしくは極まった魔道具のことを敬意を持って魔法具と呼ばれる。つまり超高級の魔道具は魔法具と呼ばれる。ラントが作るのは大概魔法具。マリーやエリーも貴族なので魔力を持ち、魔法が使える。国家資格を取っていないので魔法士ではないが魔法使いである。故にラントの作る魔法具も魔術具も使うことができる。


 魔法陣、魔術陣:魔法を使う時に現れるのが魔法陣。魔法使いの能力が高ければ消すこともできる。詠唱も詠唱破棄や無詠唱がある。ラントはどれも使えるが習得するのは容易ではない。

 特殊なインクなどで羊皮紙や床などに描かれるのが魔術陣。当然用途が違う。ラントがブローチを作っていた時に使っていたのは魔法陣。それを魔法石に籠めて魔法具にした。魔術士は手書きで刻まなければできない芸当である。

 逆に城や王宮、貴族の家などの地下には結界の魔術陣がある。魔力持ちであれば誰でも補充できる為、重宝されている。


 騎士:騎士爵を持つ者とただの騎士に別れる。国王に認められた正騎士が騎士爵。他の貴族家に雇われている貴族などは貴族騎士などと呼ばれ、騎士爵を持っていなくとも成れる。だが正式な騎士とは身分が違う。貴族家の騎士は大半が騎士爵を持っているが持っていない者もいる。

 正式な爵位を持つ貴族の直系の男子は生まれながらの騎士。もしくは分家の出などで貴族院の騎士コースを取り、騎士団に入り、2年間の騎士見習いを経て試験に合格すると騎士爵を授与される。この場合わざわざ国王は騎士に命ずる儀礼を行わず、騎士団長から簡略化した騎士号付与となる。


 貴族院:成人した貴族の子女が通う貴族専用の学院。乙女ゲームのように間違っても平民が入り込む余地はない。3年制。1年時に一般教養を学ばされ、2年時からコースが別れる。男子は領主コース、騎士コース、魔法士コース、文官コースと別れる。女子はさらにそれに淑女コースが存在する。

 領主コースは貴族の嫡男と次男たちが受講する。代官などをしたい分家の者たちも受ける。

 騎士コースは騎士や武官、傭兵やハンターになりたいものが受講する。

 魔法士コースは魔法を使え、魔法士を目指すものの集まり。魔術も習うし、魔術士志望も通える。

 文官コースは貴族家の家令や王城などに勤めたい者が通うコース。

 淑女コースは女性専用で、卒業後結婚が決まっている女子の為のコース。貴族の夜の営みや貴族の妻としての振る舞い、貴族家の奥を纏める術などを叩き込まれる。

 マリーは領主、魔法士、文官、淑女コースを全て優秀な成績で突破した。掛け持ちは有りである。騎士コースでも魔法や魔術が使える貴族は魔法騎士になりたくて魔法士コースも取ったりする。逆に魔法使いでも体を鍛える為に騎士コースを取ったりもする。文官コースの者もどちらかを受講することがある。


 魔法学院:平民用の魔法使い養成学院。大きな都市に存在する。大雑把に言えば侯爵以上が管理する都市には大概ある。卒業すれば魔法士見習いになれる。そこから実務経験を積み、試験を突破すれば国家公認の魔法士や魔術士になれる。

 魔法士や魔術士は男爵家相当の扱いを受けるので平民の魔法使いには憧れの的である。給金も野良の魔法使いとは段違いになる。大概貴族家に雇われる。それを嫌う者はハンターや傭兵になる。ハンターでも傭兵でも魔法使いは貴重で給金も高い。魔力持ちであるため、そこらの荒くれ者にも負けない。実家暮らしをしたい者や村に常駐したい者たちはその道を選ぶ。

 魔法使いの才能を持つのは大概が貴族の愛人の子や認知されなかった子で、魔法や魔術の才能があるもののみが入れる。だが平民に取っては莫大な金貨が学費に飛んでいくので独学で野良の魔法使いになることが多い。

 年齢は関係がない為、傭兵やハンターをやり、自分で金を貯めて通う魔法使いたちもいる。


 村の風習:男性貴族が移動の際、村に立ち寄ればその魔力や魔法の力を求めて村娘や村長の娘や妻、未亡人などを貴族に宛てがう。そして運良く子を授かればしっかりと村全体で育てられる。魔力持ちの子供が育てばそれだけ魔物や盗賊の脅威から守られるので当たり前とされる。


 傭兵、ハンター:大雑把に言えば所謂冒険者ギルドが二つに別れたようなもの。傭兵は戦争の際に使われたり商会の護衛や盗賊の討伐、賞金首の討伐などを主な生業としている。対人戦が得意。

 ハンターは魔境に入り、薬草を採取したり魔物を狩って生活している。

 傭兵ギルドは戦乱の世であった古くからあったが、ハンターギルドは商業ギルドに魔物肉や皮などを売る者たちが作ったギルドで傭兵ギルドよりも歴史が浅い。対魔物戦が得意。

 ハンターギルドでも護衛を受けたりもできる。それは依頼主がどちらを好むか次第。魔物の脅威があればハンターを、盗賊の脅威があれば傭兵を雇う。両方雇うケースもある。傭兵とハンターは棲み分けていて特に仲が悪いとかはない。共闘することもよくある。


 5級止め:ラントが行っていたこと。他にも5級で止める魔力持ちのハンターや傭兵は多い。4級以上になると指名を断れなかったり緊急依頼を断れなかったりする為、敢えて5級で止めるハンターや傭兵の呼び方。5級なら金銭を払えば緊急依頼も断る事ができる。ただ信用は当然落ちる。だが6級に下がったりはしない為、ラントは面倒な依頼は全てキャンセルしている。

 上昇志向がない者は5級で十分だとそこで級を上げるのを止める。4級以上は昇格試験のレベルがあがるため、実力があっても品位の試験でわざと落ちれば簡単である。故に傭兵でもハンターでも5級は最も力の幅が広いとされる。何せ通常の平民の魔力持ちでない者がなれる最高峰が5級である。魔力持ちで級を上げるのが面倒な者も混じるので力の差は大きい。4級以上はほとんどが魔力持ちで上昇志向が強い者たちである。


 爵位:上から公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵となる。騎士爵と準男爵は名誉称号であり、子に引き継げない。子爵までが下級貴族、伯爵以上を上級貴族と分けられる。細かくわけると子爵と男爵を中級貴族と呼んだりもする。歴史上には大公も居たが今は居ない。アーガス王国国王とエーファ王国国王は元は大公であり、旧大帝国から独立した。

 基本的に爵位が高いほど魔力が高い傾向にある。それは連綿と魔力の高い者たち同士で子を為してきたからである。

 公爵家は国の4方を任されていて辺境伯が脇を固め、その任を負っていることが多い。アーガス王国もエーファ王国も4公爵、8侯爵、32伯爵が通例だが、欠けもあり、空いている席も多い。辺境伯は本来伯爵から特別に任じられる臨時の職。自前の軍を持つことが許され、独自の判断で軍を動かす権利が与えられている。侯爵並の権力がある。大体は武に秀でた伯爵家がそのまま引き継ぎ、実質世襲となっている。

 伯爵家以上の出でないと大臣など国の要職には任命させられない。そこが上級貴族との棲み分けである。

 騎士団長なども同じだが、稀に天才が生まれ、実力主義でもあるので慣例を破り、子爵家や男爵家の出でも大隊長を超えて副団長などを任される事がある。

 本作ではヴィクトールなどが好例である。子爵家の出だが突出して魔力が高く、腕も高い為、次代、もしくは次々代の宮廷魔導士長としての期待が掛かっている。宮廷魔導士は騎士団ほど爵位にこだわらないので、子爵家出身でも長になれる。実力を示せば、だが。


 称号:フォンの称号は爵位を持つもの。持っていたもの。そして次代として任命されているものが名乗ることができる。

 王族は別。国王はフォンに更にウルが。他の王族はエルがつく。

 正式な家紋も同じで、他の子たちなどはドゥを使い、簡略化された家紋を使う。分家の者たちも同じ。騎士団長や宮廷魔導士長、大臣などは爵位を持っていなくとも特別にフォンの称号を使うことが許される。


 金銭価値:銅貨 100円 大銅貨 1000円 銀貨 1万円 大銀貨 5万円 金貨 10万円 聖金貨 20万円 大金貨 50万円 白金貨 1000万円


 ただし物価が違います。麦が土地の魔力で育つのが早いのと、魔物肉が流通している為、食費などは安いですが、服などは全て手作業で作っているので布などは非常に高いです。

 絹などは特殊な魔物の蚕の糸を使っているので、マリーのドレスなど本当に家が立つ値段です。白金貨が何枚も飛んで行きます。装飾品も同様です。魔法が掛かった品は基本恐ろしく高いです。

 麦などは政府の補助金があるので更に安くなっていますが金属製品は高いです。ナイフ一本数万円は当たり前だと思ってください。鍛造鋼鉄製の剣は100万円台からが普通です。金属甲冑の値段を考えると恐ろしいですね。更に魔法が掛かると桁が上がります。

 また、肉体労働は平民にも魔力があり、力が強い為に安いです。土地は貴族の物なので買えませんが上物は結構安く建てられます。

 ラントの使う魔剣や魔槍は全て自作ですが白金貨何十枚払っても買えません。通常の付与魔法が掛かった魔剣ですら白金貨が飛んでいきます。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る