俺はまさに、歩くダイヤモンドだ
かべ
1 原点。そして頂点
「
「
『決まったァァッッッ!!【Red Rhino】の
『ワアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!』
クライマックスの状況に、会場いっぱいの観客は大歓声を上げた。
大きな会場を熱気と歓声が包む。会場の奥には、入り口からでもはっきりと見える巨大な映像が映し出されている。
『3対1の状況!【Bumpys】はピンチの状況です!これは流石の
VRの対戦ゲームとして今覇権を握る『カオスアリーナ』。
今丁度、国民中が熱狂する国内大会の決勝戦が行われていた。国内最大のドームに集まる満員の観客は、優に5万人を超えるだろう。
チーム【Red Rhino】対、チーム【Bumpys】。既に【Bumpys】は二人やられて、状況からすれば敗色濃厚。しかし、観客は圧倒的な【Red Rhino】に熱狂しながらも、──────
そんな状況で残された【Bumpys】の一人、
「おいおい、これはきついな」
入り組んだ地形の多い【工業地帯】ステージには珍しく、だだっ広い工場の中。
「そうだ
軽口を叩くのはライオン姿の侍、
ヘラヘラしつつも、全く警戒の構えは崩していない。
「
「あいよ!」
漆黒鎧の騎士、
そんな【Red Rhino】に対し、
「
「【見切り──────!】」
咄嗟に防御
「使ったな?」
「フェイクか!!───まずいっ!」
そして、反射的に
サトウのもとには、防御のスキルが無くなった。
「くそっ!!」
ガキィィン、と剣同士がぶつかる音が響いた。勢いで押し込まれ、
押される
「【
呟きとともに、
そして、
「ぐおおっ!【ビースト・モード】ッッ!」
援護が遅れるとわかった
「オラァッ!!」
───しかし
「─────!」
それは【コインガン】。─────海賊は、
だが、目まぐるしく体勢が変わり、
そして─────防御スキルは無い。フェイクの爆弾に釣られ使ってしまい、今は
キィ───ン、とコインが地面に落ちるような音とともにそれが射出された。
角度は垂直。覆い被さるように
「ぐおおおっ!!」
「
「了...解.....っス!!!!」
狙いは頭。
「────今!」
「【
弾が発射されるタイミング、
「【
そして水流の斬撃が空中の
『ワアアアアアアアアッッッ──────────!!!!』
会場を、溢れんばかりの歓声が包み込んだ。
実況や解説もまた、その声には抑えきれない熱が籠もっていた。
『コインガンからの
【Red Rhino】たちの顔から余裕が消えた。静寂の中、時間とともに緊張感が高まっていく。
口火を切ったのは【Red Rhino】の二人だった。二人
(固まって動くぞ)
「.......妙っスね」
「大丈夫だ、冷静に
コクリ、と
「
そんな
再び海賊の
「.....この位置だな」
にやりと、
「なんだ....?おかしい、こんなバレバレの
破片が四方八方に飛び交う。回避とともに爆風に乗った二人は、壁際まで吹き飛んだ。
塵や破片と共に、────二人の足が地面についた。
「───そこの地面、壁際は、
「?!」
ピピピピピピピと、機械的な音が地面から聞こえた。
「離れろ!!ta────────」
瞬間、出掛かった声がかき消され、またもや轟音が起こった。一瞬のうちに地面が隆起し、眩い光線とともに大爆発が起こった。撤去工事を思わせるような崩落が起こる。天井や壁が崩れ落ち、巻き起こった塵埃の中。─────緑色に発光する、幽霊を思わせる半透明の騎士が佇んでいた。
間一髪、
「この爆発は......!......
「.....
【Bumpys】の
『な、な、なにが起こっているんだぁ──────!?
爆発に次ぐ爆発!!この状況は──────!!?』
【Red Rhino】にとって恐れていたことが起こってしまった。
「
「やばいっス!煙で周りがっ.......!」
「....!そこだっ!」
バババッ!と、機関銃を連射する。
崩落音の中だったが、確かに後ろで不自然に衣擦れのような音がしたのだ。
「............縄!!」
そこにあったのは海賊のスキルである縄だった。
自由自在の縄を操り、錯乱に使ったのだ。
「あー、やらかしたっスね........」
無慈悲にも、背後から
『ワアアアアアアアアアアッッッッッ──────────!!!!』
再び、会場に歓声が巻き起こる。
『分断からの1対1…..!!これは.......人数不利がなくなってしまった【Red Rhino】!!!
や、やってしまうのか
間髪を入れずに、煙を貫く鋭い刺突が迫る。
それを軽い身のこなしで避けた
「......フン!ただ状況が対等になっただけだ。
いや、むしろこちらの方が有利だ────────!」
「【
そして体の内側から緑色の、
左右対称で並ぶ
もちろん制限はある。効果時間20秒、それが過ぎれば『分身』は消える。
(20秒で終わらせる!!!)
(20秒耐える!)
お互いに目的は理解している、この20秒間が正念場だ。
「【
「厄介だな...!
効果は馬を倒すまで続く。本来なら隙を見て馬を倒したいところだが、一度でも捕まると
「ひたすら逃げるしかないか。ただ..........早い......!」
ロープを駆使して工場内を駆け回るが、ちょっとでもミスったら捕まる距離まで迫っている。
「くっっ!」
間一髪、後ろから迫る2つの剣を紙一重で避ける。
しかし、このままではジリ貧だと
(......くそっ!このままじゃ追いつかれる.....!どうにかしてうまく逃げ────────いや、違う.......!!逃げれないならすべて避けるだけだ!)
「どうした.....?!血迷ったか!」
足を止めた
しかし、すべての攻撃がぎりぎりで当たらない。
心でも読んでいるのかと、
「いつまで躱し続けられる?!」
「タイムリミットは迫ってるぜ......!」
「くっ....─────これが最後の賭けだ!」
「......!」
そして踏み込み、前方を勢いよく薙ぎ払った。
(ただの薙ぎ払い........?)
前方からの薙ぎ払いを、
だが、そのバックジャンプを誘うことこそが
「.......ぐっ?!」
「体勢を崩したな!!」
──────そんな中、再び黄金の
「無駄だ!!」
間髪入れず
「終わりだ!!
「まだだ.......!!!」
【コインガン】最後の一発。
「ノックバックさせるのは─────
キィ───ン......とコインの音が工場内に響き渡る。
がらがらと、吹き飛んだ先のがれきをかき分けて、
そして遂に、経過する。
「.....
「くっ...!!!」
「おいおい、さっきから動きが鈍ってるぜ!?」
「.......そうだ、な」
もう、メンタルという面で埋められない差が広がっていたのだ。
「俺達の勝ちだ.....!!!!」
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