第5話 新規採用

店も僕らも順調だった。

でもある日を境にゆっくりゆっくり何かが変わっていった。

それはある一本の電話から始まった。


―――――――――『お店の求人のチラシを見てお電話させて頂きました。面接ってして頂けますか?』


声の済んだ、でもどことなく幼さの残る女性だった。



『ありがとうございます。うちはいつでもいいですよ?今日でもいいですし』

と言うと、

『私もいつでも大丈夫です。今日ならちなみに何時頃なら差し支えないですか?』

『今からでもいいし。何分くらいで来れそう?』

『15分もあれば行けます。』

『ありがとう。気をつけてきてください。持ち物は、履歴書、筆記用具、印鑑でお願いします。』

『承知しました。宜しくお願い致します』



――――――――――――――――――。


ふわっとだが何かが始まる予感がした。



――――――――――――――――――。


実際に面接をして即日採用した。

19になる歳だが、そのまま就職を考えていたとの事でもし、お互い良いなと思えれば社員で雇用とかもありますか?との事。

僕は二つ返事で了承した。



――――――――――――――翌日。


結月が学校に行ってる間に彼女が来た。



「おはようございます。」

「おはようございます。今日から宜しくお願いします。」

「宜しくお願いします。」


少し緊張した顔がまた可愛かった。




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