第18話 threat〜脅威〜
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シーン56:新たな脅威・牛鬼の出現
修羅との戦いに勝利したものの、不比等と小次郎は異様な緊張感に包まれていた。その夜、持統天皇の夢の中に恐ろしい姿をした異形の獣、牛鬼が現れたのだ。牛の頭と巨大な鬼の体を持ち、禍々しい黒い霧を纏っているその姿は、ただならぬものを感じさせる。
持統天皇:「あの獣…牛鬼が、この国を再び混乱に陥れようとしているというのか…」
目を覚ました持統天皇は、即座に不比等と小次郎に異変を告げ、牛鬼について調査するよう命じる。伝承によれば、牛鬼はかつて反乱者たちが祀り、怨念の力を宿した恐ろしい存在とされている。
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シーン57:民間の恐怖と牛鬼の噂
不比等と小次郎は牛鬼についての情報を集めるため、都を離れ、牛鬼の噂が絶えない山里へと向かう。道中で出会った村人たちは皆、牛鬼の恐ろしさを語り、怯えた表情を浮かべる。
村人:「牛鬼様の怒りが蘇ったと噂です…あの呪われた鬼が再び村を襲うのでは、と皆恐れております…」
村人たちの話によると、夜な夜な黒い霧と共に現れ、家畜を襲い、人々を恐怖に陥れるという。牛鬼の存在が人々の心に深い恐怖を刻みつけていることが、不比等にも痛感される。
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シーン58:牛鬼との遭遇
調査を進める中、ある夜、不比等と小次郎の前に実際に牛鬼が姿を現した。漆黒の霧の中に佇む巨大な姿は、不気味に光る目と鋭い牙を持ち、異様な圧迫感で二人を睨みつける。
日向小次郎:「あれが…牛鬼か。こいつは厄介な相手になりそうだな…!」
牛鬼はその場に立ち尽くす不比等と小次郎に襲いかかる。巨体にもかかわらず、驚くべき速さで接近してくる牛鬼の猛攻に、二人は危機一髪の状況に陥る。
不比等:「小次郎、ここで引くわけにはいかない。覚悟を決めるんだ!」
二人は力を合わせ、牛鬼に立ち向かう。小次郎の剣技が牛鬼の体に傷をつけるが、牛鬼は怨念の力で何度も再生し、ますます激しい攻撃を仕掛けてくる。
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シーン59:秘術と祈り
牛鬼の再生能力に苦戦する不比等と小次郎。彼らは牛鬼が怨念を糧に力を増していることに気づく。そこで不比等は、修羅から学んだ封印の秘術を試みることを提案する。
不比等:「この牛鬼の怨念を鎮めるためには、封印の術を使うしかない。小次郎、少しの間、奴を引き付けてくれ!」
小次郎が牛鬼の注意を引きつけている間、不比等は集中して封印の術を唱える。徐々に牛鬼の動きが鈍り始め、怨念の力が抑え込まれていくのが感じられる。
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シーン60:牛鬼の消滅と村の平穏
封印の術が完成し、牛鬼は絶叫を上げながら消滅する。村を襲っていた恐ろしい存在が姿を消し、黒い霧も晴れていく。村人たちは不比等と小次郎に深く感謝し、安堵の表情を浮かべる。
村人:「これで、村にも平穏が戻りました…お二人には何とお礼を言ってよいか…」
牛鬼の怨念を封じることに成功した二人は、村の平和を取り戻し、持統天皇に成果を報告するため、宮中へと戻ることを決意する。しかし、牛鬼との戦いで感じた異様な力は、二人にさらなる不安を与えていた。
不比等:「牛鬼が封印されたのはよいが、これで全てが終わったわけではない気がする。まだ見えぬ敵が、我々の背後に潜んでいるのではないか…」
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次回予告
第19話では、牛鬼の脅威が去った後、さらに強力な敵が現れる。持統天皇の周囲で暗躍する新たな影と、その背後に潜む真の黒幕がついに動き出す。
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