あぶくにもならぬ者よ
うさみゆづる
御手をどうぞ
あなたに会いさえしなければ
気が遠くなるほどのこの長い年月
小さな蟻で食い繋いでいるかのような
そんな思いはしなかったのに
けれどもあなたに会いさえすれば
この数百年も風が通り過ぎただけみたいだ
いつしか止まった心臓が
錆を掻き出し動きはじめた
血の通った話をしよう
歴史書にある生き様じゃなく
目の前にあるこの人格と
ワルツを踊ろう
触れられずともステップは
頭に刻み込んである
さあわたしの手を取って
つま先が潰れるほどに待ち侘びた
わたしを再び思い出してよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます