九柱の魔女に僕は殺される

青村司

そして僕は殺される

 曇天の空が見えた。

 周囲には錆びた鉄柱のような、葉のない木々。濃い霧がまとわりついてる。

 大の字で倒れる蝙蝠こうもり威志いしの上には少女が跨っていた。

 白と黒と灰色の中で、鮮やかなほどの青い髪と瞳の少女が。

 少女の細い腕が伸び、その手は威志の首を締めている。喉が痛い。少女が力を込めているのではなく、少女の手と首の間に挟まった、ビー玉のような青い小石が当たっているからだ。


「死ね」


 少女は言った。


「死ね。欠片も残さず粉々に死ね。魔王」

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