第23話

──片付けを終えたあと、あたしを含めた女子マネージャーたちは、着替えのために校舎1階の演習室へと移動した。


男子は、部室で更衣。


あたしたちの部では、そのあたりのことをきちんとしている。




「すごーい! これ、手作り!?」



不意に、感嘆のような声。


何かな?


ジャージを畳みながら視線を向けると、そこには着替えを済ませた1年生の集まりができていた。




「美保ちゃんって、ほんと女子力高いよね」



どうやら、中心にいるのは音無美保ちゃんらしい。



チョコレートマカロン……かな?


机に置かれた箱の中には、彼女が作ったらしいそれが5つ、おいしそうに並べられていた。




「これね、バレンタインに向けた練習で作ったものなんだけど、よかったらみんなで食べて?」



得意げに、ショートカットの茶髪を耳にかける美保ちゃん。



「いいのー!?」



差し出された箱の中身は、あっという間に空っぽになってしまった。

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