第22話

「お疲れさまです。アシスト、すごかったです!」


「ほんま?」



ちょっ……。


何あの嬉しそうな顔ーーっ!




アシスト──。


あの憐くんのゴールは、怜佑の適確なパスから生まれたモノだった。


テクニカルなボールさばきは、見ている誰もが〝すごい〟と思っただろう。



もちろんあたしもその1人で。


怜佑超かっこいい〜っ! だなんて、身悶えちゃったくらい。



でも……。



あの怜佑のデレデレした態度。


なんか、妙にムカつくんですけど!




「あ、松下先輩、柳田くんっ」



その時、まだタオルを手にしていない二人に気づいたらしい美保ちゃんが、名前を呼びながら向こうへ走っていった。


にも関わらず。


怜佑のヤツときたら……。



──ギリッ。



いつまでニヤけてんのよォ……!!




「梓ー、梓さーん?」


「何っ!?」



バッと声の方に振り向く。


すると、困った顔……というか、ちょっとひいたような顔をしたナツが視界に入って。



「それ、俺の服なんすけど……」



服……?


咄嗟に手元に目線をやる。


そこには、いつの間にか絞った雑巾みたいになったそれがあった。

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