第10話

「アイツはいったい何がしたかったんや」


「ほんとそれ」



小さくなっていく後ろ姿。


相変わらずのナツに、あたしたちはクスクス笑う。



これにてケンカ終了。



〝何それ〟って思われるかもしれないけど。


あたしとコイツは、いっつもそうなんだ。



すぐにケンカして。


でも、


今みたいに、いつの間にか元通りに戻ってる。



そんな、不思議な関係。



だけど……。




いつまでもそれでいいのか。


最近、少し悩みはじめている。




鈍感で、口が悪くて、意地悪で。



だけど、ときどき優しい。



そんな怜佑のことがあたし……。





ホントはずっと、



好きなんだもん。





「俺らもそろそろ帰ろか」


「そだね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る