第5話

掃除の仕事は一般社員のいるところから、


社長室まで幅広く行う。













伝達で今社長が不在みたいだから、今日は社長室も掃除を頼まれていた。




同僚のおばちゃんとペアで向かい、掃除を開始する。



やはり大きい会社の社長室は立派で、海外ドラマの中にいるみたいだ。



同僚のおばちゃんも「さすが立派なお部屋ね〜」と目を輝かせていた。



掃除をする場所もないくらいとても綺麗だった。









すると同僚のおばちゃんは「あ、いけない。下に備品忘れてきちゃった。掃除進めておいてくれる?」と言い残し、


私を置いて下の階に降りて行ってしまった。







一人残された私は黙々と掃除を始める。



























すると突然、社長室のドアが開いて電話をかけながら


あの高田社長が入ってきたもんだから驚いた。









リアル「ユメくん」だった。











急な用事で帰ってきた様子だった。









高田社長は私がいるのに気づかなかったようで(電話しながらだし)


掃除をしていた私にぶつかってしまった。

そして掃除用具を落としてしまう私。





「おっと、驚いた。気づかず、申し訳ありません」




高田社長はそんな私を見て、電話を一時中断し



「怪我はありませんでしたか」と私の体を優しく起こしてくれて、掃除道具も拾ってくれた。










何やら忙しい様子なのに、なんて紳士な人なんだろう。
















そんなことぼんやり思いながら




「全く問題ありません!こちらこそ申し訳ありません」










そう言って謝りながら、顔を上げると高田社長と目線があってしまった。

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