第5話
掃除の仕事は一般社員のいるところから、
社長室まで幅広く行う。
伝達で今社長が不在みたいだから、今日は社長室も掃除を頼まれていた。
同僚のおばちゃんとペアで向かい、掃除を開始する。
やはり大きい会社の社長室は立派で、海外ドラマの中にいるみたいだ。
同僚のおばちゃんも「さすが立派なお部屋ね〜」と目を輝かせていた。
掃除をする場所もないくらいとても綺麗だった。
すると同僚のおばちゃんは「あ、いけない。下に備品忘れてきちゃった。掃除進めておいてくれる?」と言い残し、
私を置いて下の階に降りて行ってしまった。
一人残された私は黙々と掃除を始める。
すると突然、社長室のドアが開いて電話をかけながら
あの高田社長が入ってきたもんだから驚いた。
リアル「ユメくん」だった。
急な用事で帰ってきた様子だった。
高田社長は私がいるのに気づかなかったようで(電話しながらだし)
掃除をしていた私にぶつかってしまった。
そして掃除用具を落としてしまう私。
「おっと、驚いた。気づかず、申し訳ありません」
高田社長はそんな私を見て、電話を一時中断し
「怪我はありませんでしたか」と私の体を優しく起こしてくれて、掃除道具も拾ってくれた。
何やら忙しい様子なのに、なんて紳士な人なんだろう。
そんなことぼんやり思いながら
「全く問題ありません!こちらこそ申し訳ありません」
そう言って謝りながら、顔を上げると高田社長と目線があってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます