第3話







人生で一番驚いた。














いつものように仕事の休憩時間に何気なく雑誌をめくっていると、よく知っている人物がいたからだ。









あの夢の彼だった。
















高田 光彦(33)




この時期一番儲かっている大手化粧品メーカーの若手社長と記事に載っている。


あまりメディアには出ない人で、最近少しずつ出てくるようになったんだか。







だから知らなかったのかな。











私、この人どこかで見たことあったのかな。


日常生活であったことも話したことも絶対ないって確信あるから、


昔のインタビューとか見て勝手に記憶していたのか。







全く記憶にない。














「一香ちゃんそういう人タイプなのねえ。かっこいいわよね。あーあ私も若くて令嬢とかだったらな〜」



同僚のおばちゃんはいい男ねーと私の読んでいる雑誌を覗きながら、


頬を赤らめている。





夢の中でキスしたり、抱きあったりしてますなんて言ったら


頭おかしいって言われそうだからやめておこう。










でもよかった、現実にいる人で。


一人で妄想だけであそこまで作り出してたら本当にやばいやつだし。












社長さんなんて関わることのない世界だし、


妄想の中で楽しくやっておこう、

そう思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る