夢の中の貴方
柚木 栞
第1話
気がつくとそこは
どこか異人館を思わせるような洋館の一室。
内装は派手すぎず必要最低限のベッドと机と椅子が置いてあるだけなのに、
花瓶には綺麗な花を飾ってあったりと、とても落ち着ける空間。
窓はあるが、外の景色が一体どうなっているのかわからない。
夜なのか、朝なのかさえも。
そして、いつもその部屋には決まった男の人がいる。
私よりおそらく10歳ほど年上で、高身長の顔の整った男の人。
彼はいつもベッドに腰掛けて、窓の外を眺めている。
この不思議な空間の中で、彼だけが唯一現実身がある。
話しかけようとするけど、会話はできなくて
一体どこの誰なのか、名前もわからない。
ただ思うのは
この人に触れてみたいな、とぼんやりと思うだけ。
そっと手を伸ばすと、その彼は私に応えるように
指先を絡めてきて、顔を近づけてくる。
そして、やさしく
キスをしてくるのだ。
いつものように。
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