やあ、君は世界を創れるかい?




 やあ、君は世界を創れるかい?


 長々と語ってきたけど僕の考えは解ってくれたかな? ああ、別に納得はする必要はないよ。ただ理解してもらえばいい。さて、結局僕の言いたいことは小説家は神であるということなんだけれど、そこに1つ付け加えよう。神はね、とても楽しいんだ。自分の想像した世界を創造するということはね。 ん? ああそうさ、君の言う通り寒いギャグだ。だけど、自分が好きなものを創るということはなかなか楽しいものなんだ。

 君は本を読むかい? どんな本でも良い。恋愛でもSFでもミステリでも何でも良い。その中に君の好きな本があるだろ。ここでえーと誰の言葉だったか、忘れてしまったけど1つ紹介しよう。自分の性癖に完全に合った小説は自分にしか書けないっていう言葉だ。確かに君の好きな本は君の好みにある程度フィットしているだろう。けれどね、君の好きなものだけが詰め込まれた小説、つまり君の性癖にピッタリ合う小説というものは君にしか書けないんだ。分かってきたかい? 自分の好きなことだけを考え、表現することがいかに面白いかが。もしかしたら神様は楽しみたいからこの現実を創ったのかもしれないね。それで、僕はこの楽しさ、面白さを共有したいんだ。君も自分の世界を創ってみないかい? え、難しいし方法がわかんない? 別に大丈夫さ。最初から小説を書かなくたって良い。設定を考えるだけでいいんだ。君の好きな世界、そこに息づく人々。こんな世界があったら良いなを少し具体的にするだけさ。主人公から考えたって良い。とにかく自分の世界について妄想してみてくれ。そうしたら文字通りそこから世界が始まるのさ。ああ、僕はしたことないけど二次創作という手もあるな。まあ、それは置いておいて、これならできそうだろう? 自分の世界を思い描ける様になったら僕ら神の仲間入りだ。とは言っても僕だって最近物書きを始めた新人だけれどね。文章を作るのだって表現の方法だってまだ全然できやしていない。けど自分の世界を創り始めて、物の見方がガラッと変わったような気がしたんだ。なんというか妙に清々しいような気分だったよ。そう考えると君にこの感動を伝えたいと思ったのは僕が新人だからなのかな。

 そうだな……もし君が小説を書くことに手を出すのを躊躇っているならちょっとだけ先輩の僕からの助言だ。神の視点は楽しいぞ! 迷っているなら一歩だけ踏み出してみて、無理だったら引けば良い。そのまま進むことができたのなら僕と一緒に励むとしようじゃないか。


 さて、最後のまとめだ。ここまで僕の話を聞いてくれてありがとう。君は神に、小説家に興味を持ってくれたかい? 小説を書いてみたいと思ってくれたなら嬉しいよ。さあ、神と成ろうじゃないか。

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